研究課題/領域番号 |
20K18697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小野 信二 徳島大学, 病院, 医員 (60770576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ドライマウス / MMP-9 / CXCL10 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ドライマウスの病態形成に MMP-9 が及ぼす影響を解明し、病因に対応したドライマウス治療の確立を目指すことである。基礎研究としてドライマウス患者口唇腺(加齢群と SS 群)の網羅的遺伝子解析を行い、MMP-9 過剰産生に影響を及ぼしている遺伝子を絞り込む。次いで、唾液腺細胞株を用いて腺房細胞が MMP-9 過剰産生を生じる分子メカニズムと CXCL10 との関連を解析する。加齢疾患モデルマウス・SS モデルマウスを用いて MMP-9 阻害薬の有効性と有害性を調べる。さらに、臨床研究としてドライマウス患者に対する MMP-9 阻害薬の効果と安全性を検討する。
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研究成果の概要 |
ドライマウス病態形成におけるMatrix metalloproteinase(MMP)-9過剰発現の分子機構を解明し、病態に対応したドライマウス治療の確立を目指すことを目的として研究開発を行った。唾液腺細胞株のうち導管細胞株において、IFN-γ刺激によりMMP-9ならびにケモカインCXCL10の発現亢進を認めた。MMP-9阻害薬を共培養したところ、IFN-γ誘導性CXCL10発現はmRNA、蛋白質レベルで有意に抑制されることが明らかになった。ドライマウスMMP-9過剰発現の抑制によるCXCL10発現の低下により炎症性細胞のリクルートを制御でき、唾液腺組織の安定性につながる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢や疾病により唾液分泌が低下した病態をドライマウスという。唾液は、食べる、飲み込む、話す、潤すなど円滑な口腔機能に欠かせないもので、ドライマウスは生活の質を著しく低下させる一因となる。本研究では、ドライマウス患者の唾液中に過剰分泌されているMMP-9に着目し、唾液腺細胞を用いてMMP-9阻害により唾液腺導管細胞が産生するケモカインであるCXCL10の発現が抑制されることを明らかにした。この結果は、唾液腺細胞の安定化につながりドライマウスの治療法になりうる可能性が示唆された。
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