研究課題/領域番号 |
20K18734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
今田 光彦 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (10834054)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ビスフォスフォネート製剤 / BRONJ / bFGF / β-TCP / オートファジー / ヒドロキシプロピルセルロース / ケラチノサイト / 軟組織毒性 / 人工骨 / 再生医療 / 抜歯 |
研究開始時の研究の概要 |
ビスフォスフォネート(BP)製剤は、骨粗鬆症などの骨脆弱性疾患に対する治療薬として広く使用されている。しかし、BP関連顎骨壊死(BRONJ)が深刻な問題となっており、その約6割が抜歯後に発症すると報告されている。塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)は、BP製剤の為害作用を相殺する効果を有するため、bFGFを抜歯窩に作用させることでBRONJの発症予防に寄与できるのではないかと考え、申請者らはBRONJラットモデルを用いた過去の研究でその予防効果を証明した。そこで、同様の実験系を用い、BRONJ発症を抑制したbFGFの作用機序を解明することを目的に本研究を立案した。
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研究成果の概要 |
歯周組織再生医薬品として販売されているbFGF製剤と同様の基材であるヒドロキシプロピルセルロースを用いてビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)発症モデルに適応したところ、有意な発症の抑制を認めた。 発症モデルに人工骨(β-TCP)を填入しその効果を検証した。抜歯後に遊離したビスフォスフォネートはβ-TCPに吸着することが確認できた。in vivoにて検証した結果、β-TCPを填入した群で有意に発症を抑制した。そのメカニズムについて、BRONJの発症は抜歯窩局所のオートファジー機構が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨粗鬆症などの骨脆弱性疾患に対する治療薬として広く使用されているビスフォスフォネート製剤の使用により、慢性的に顎骨の露出を来すBRONJを発症する可能性がある。自然発症することもあるが、抜歯などの観血的処置で発症することが多く、様々な予防法が提唱されているが現在効果的な方法は確立していない。本研究では歯科臨床でそれほど入手が難しくない製剤・材料を用い、大きな侵襲を与えることなくBRONJの発症予防効果を確認することが出来た。発症メカニズムに関してもオートファジー機構が関与している可能性を見出すことが出来た。本研究でBRONJの予防法や治療法の確立へ大きく前進したものと考える。
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