研究課題/領域番号 |
20K18756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
水川 朋美 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (60868412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | TMJ-OA / CCN3 / 糖代謝 / 転写因子 / エンハンサー領域 / 軟骨細胞 / 解糖阻害 |
研究開始時の研究の概要 |
外傷などによる変形性顎関節症 (TMJ-OA) は、患者のQOLを著しく低下させるが、その病態は未だ不明である。研究実施者の所属する研究室では軟骨細胞でのエネルギー代謝、とりわけ糖代謝と軟骨細胞のOA様変化との関連について解析し、その過程で解糖酵素阻害剤やグルコース飢餓状態でCCN3遺伝子が強く発現することを明らかにした。CCN3は関節軟骨細胞の成熟に関与することから、本研究では、CCN3を介した糖代謝とOA病態と関連を解析し、糖代謝を制御する薬剤を用いた新たなTMJ-OAの病態解明とその治療薬の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
変形性関節症 (OA) は患者のQOLを著しく低下させる慢性疾患であり、そこには解糖系の破綻の関与が示唆されている。Cellular communication network factorファミリーメンバーの1つCCN3は軟骨細胞で産生されその増殖や成熟に関与していが、解糖系が遮断された場合強く発現誘導される。本研究ではこの飢餓・解糖遮断によるCCN3発現誘導が、プロモーター近傍のエンハンサーに転写因子RFX1が作用することによって起こること、そうして増産されたCCN3は軟骨細胞の生存を支えることを明らかにした。この成果はCCN3発現制御を通じた、新たなOA治療の開発へと道を開くものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究による「CCN3遺伝子の転写制御メカニズムの一端が解明された」成果は、新たなTMJ-OA治療法の創造への足場の一つとなる可能性がある。現在のTMJ-OA治療は、夜間のメカニカルストレスを軽減するスプリント装着など、いわば口腔理学療法による予防にとどまる。軟骨破壊に対する再生療法が確立していないのは、整形外科領域のOAと同様だが、その代わりを務める人工物置換術もTMJ-OAでは困難で実施されていない。このような条件下で、TMJ-OA治療に福音をもたらす可能性のある本研究の創造性は鮮明である。
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