研究課題/領域番号 |
20K18793
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
清水 真美 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50732856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Daidzein / 壮年期 / 後戻り / 壮年患者 / daidzein / ALP / BMP-2 / OCN / RANKL / OPG / 壮年期患者 / 卵巣摘出ラット / 骨代謝 / BMP / 卵巣摘出rat / aging rat / 歯の移動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,骨粗鬆症に用いられている daidzeinが壮年患者の歯の移動の骨代謝にどのような影響を及ぼすか解明することである。 研究方法としては, 壮年患者に相当するaging ratの歯の移動モデルにdaidzeinを投与し, 骨形成因子と骨吸収因子の発現を組織学的に検討する。In vitroでは、壮年患者のヒト歯根膜細胞の圧迫・牽引モデルにdaidzeinを投与し, in vivo と同様の遺伝子動態を分子生物学的に検討する。 本研究でdaidzeinの歯の移動における骨代謝への影響を解明できれば, 今後増加する壮年矯正患者に安全で効率的な矯正治療を行う一助となると考える。
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研究成果の概要 |
本研究の結果,骨芽細胞に矯正力を負荷した後,Daidzein (DZ)を投与した圧迫側では骨吸収因子であるRANKLの発現が減少しOPGは増加した。牽引側では骨形成因子であるALP, OCN, BMP-2の発現が増加した。また子宮を摘出した(OVX)ラットの歯の移動後にDZを投与した群で骨密度, 骨梁体積率が増加し, 後戻り率が減少した。 以上から矯正力を負荷した骨芽細胞にDZを添加することで骨吸収が抑制され骨形成が促進されるといえる。またOVX群に矯正治療後DZの投与により後戻りを抑制できると考えられる。これらより壮年期患者の矯正治療後の後戻りの抑制にDZが効果的であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から矯正力を負荷した後, 骨芽細胞にDZを添加することで骨吸収が抑制され骨形成が促進された。さらにOVX群に矯正歯科治療後にDZを投与することで骨密度, 骨梁体積率が増加した。これらのことより矯正歯科治療後にDZを添加することにより圧迫側で破骨細胞の分化を抑制し骨吸収を減少させ, 牽引側では骨形成を促進することで, 歯槽骨のリモデリングを早期に安定させ後戻りを抑制する可能性が示唆された。また骨量が減少して後戻りリスクの高い, 壮年患者にもDZをサプリメントなどの形で動的治療終了時から服用させることで, 保定期間を短縮化できる可能性があり意義あるものとなった。
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