研究課題/領域番号 |
20K18844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三島 有華 東京医科歯科大学, 生体集中管理学分野, 助教 (90828906)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 抗菌薬適正使用 / 集中治療室 / 多職種回診 / Time-out / 抗菌薬使用日数 / 広域抗菌薬 / 薬剤耐性菌 |
研究開始時の研究の概要 |
ICUは重症感染症患者が多いため広域抗菌薬の使用が許容されやすく、耐性菌発生リスクが高いことから重点的に抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP)を導入すべきとされるが、本邦では感染症医が少なく人的資源が限られるため整備が遅れている。本研究の目的は、感染症医が常駐していないICUにおけるASPの効果を明らかにすることである。ASPの手法として薬剤師を含む多職種での回診と、抗菌薬が適正に使用されているかを振り返るTime outを行い、抗菌薬使用量や耐性菌発生率、入院日数や死亡率へ与える効果を評価する。最終的に本研究により他のICUでも導入可能で有効なASPの手法を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、感染症医が常駐しないICUで抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP)の手法としてTime-outを導入し、その効果を検証した。Time-outは抗菌薬開始3日後、7日後、14日後の多職種回診時に行い、感染巣、治療期間、効果の3点を確認した。Time out導入後、生存退院した患者の入院日数の短縮が示唆され、静注抗菌薬の使用日数は減少した。次に、ICU入室後24時間以内に抗菌薬を投与された患者において、入室3日後までの抗菌薬のde-escalationの有無と患者転帰と耐性菌新規発生率について検討し、差は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はICUにおいて抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP)のTime-out手法が有効であることを示し、生存退院患者の入院日数が短縮され、静注抗菌薬の使用日数が減少した。ICUでは広域抗菌薬の使用が多く耐性菌発生リスクが高いが、Time-outにより抗菌薬の適正使用が促進されることが示唆された。また、感染症医が不足する医療現場でもTime-outを用いることで医療資源の効率的な利用が可能となり、医療費削減や耐性菌発生抑制に寄与する可能性がある。抗菌薬のde-escalationにより患者転帰の悪化はないことも示され、ICUにおける感染症対策の改善に貢献する可能性がある。
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