研究課題/領域番号 |
20K18913
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
青野 裕一 関西学院大学, 生命環境学部, 助教 (10806293)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヒノキチオール / 皮膚がん予防 / 抗酸化作用 / ケモプロテオミクス / ケミカルバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
台湾ヒノキから抽出される精油に含有するヒノキチオールは、皮膚がん細胞に対する増殖抑制・細胞死誘導作用を有し、発がん原因とされる紫外線による酸化ストレスに対する抑制作用が報告されている。そのため、ヒノキチオールは年間罹患者数が増加傾向にある皮膚がんの予防法の発展への寄与が期待されている。本研究では、ヒノキチオールが直接作用する標的分子をケミカルバイオロジーの手法を用いて同定し、ヒノキチオールが有する皮膚がん細胞に対する抗腫瘍効果の分子基盤をin vitro、in vivo解析から明らかにすることで、ヒノキチオールの皮膚がんの腫瘍形成抑制作用の新たな分子メカニズムを解明することを目的としている。
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研究成果の概要 |
日本における皮膚がんの罹患者数は年々増加傾向にあり、日焼け止め使用による従来の皮膚がん予防法に加えて、新たな予防法の発見が望まれている。その課題に対して、皮膚がんの発がん原因の一因とされる酸化ストレスからの保護効果を有する天然化合物ヒノキチオール(以下、HiOH)に着目した。その効果は、2面的なROS消去作用からなり、HiOHのイソプロピル基による直接的作用と、チオレドキシンシステムによる間接的作用の可能性が示された。これらの成果は、皮膚がん予防の発展に貢献し得る皮膚細胞における酸化ストレスからの保護作用のメカニズムの一端を明らかにするものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、天然成分ヒノキチオール(HiOH)の酸化ストレスに対する2面的な皮膚細胞保護効果の分子基盤の一部を明らかにすることができた。この成果をもとにHiOHが抗酸化作用を発揮する際に使用される細胞内分子ネットワークの全貌が明らかとなれば、新たな細胞内抗酸化経路やその責任分子の発見に繋がる可能性がある。また、HiOHの化合物としての構造において酸化ストレス消去に必要な部位が特定できれば、HiOH由来のより効果的な化合物の合成展開に対するヒントとなる可能性がある。これらが皮膚がん予防法の発展への貢献となり、皮膚がん罹患者の増加を止める一助となることを期待するものである。
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