研究課題/領域番号 |
20K18919
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
戸次 加奈江 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 主任研究官 (00722084)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | Isocyanate / パッシブサンプラー / 室内環境 / ガス状成分 / イソシアネート / 拡散サンプラー / アレルギー / SVOC / 揮発性有機化合物 / 化学物質過敏症 |
研究開始時の研究の概要 |
室内環境中の可塑剤・難燃剤に由来するガス状成分(揮発性有機化合物(VOC))を対象とした高感度な簡易モニタリング手法を確立することで、多検体の疫学的調査を目的とした新たなモニタリング技術の開発を目指す。また、本手法を化学物質過敏症患者を中心とした被験者を対象に、病状の時間的経過や室内空気中の化学物質の推移とを連動して調べる環境調査を行うことで、両者の関係から化学物質曝露と病態との関連性を解析し、その要因を探究する。
|
研究成果の概要 |
拡散サンプラーを用いたイソシアネートのモニタリング手法を開発することで、一般環境下でのイソシアネート濃度とその挙動が明らかとなった。対象とした中でも、イソシアン酸(ICA)及びメチルイソシアネート(MIC)は、比較的高濃度で広範囲に検出されるものであり、室内では夏に有意に高くなるなど、季節的な変動も見られた。室内のイソシアネートは、換気により屋外の影響を受ける他、夏は、密閉した室内にて室内発生源の影響を受けている可能性が高く、その要因の一つとして、喫煙による寄与が考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境中のイソシアネートに関する新たなモニタリング手法が確立されたことで、身近な環境中でのイソシアネートの濃度レベルとその挙動や季節変動を明らかにすることができた。本研究の成果は、今後、大規模な疫学調査にも適用可能であるため、未だ未解明の化学物質過敏症などの健康影響とイソシアネートとの関連性を明らかにする上でも有用な方法である。また、この様な調査結果は、世界的には既に規制対象物質とされているイソシアネートを、国内においても規制対象とするための根拠として提示することができる点において、社会的意義はとても大きいと言える。
|