研究課題/領域番号 |
20K18941
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
江口 尚 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (50722146)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 障害者保健 / 合理的配慮 / 産業精神保健 / 職場 / 産業保健 / 労働者 / 障害者雇用 / 心理的ストレス反応 / 離職予防 / 職場の心理社会的要因 / 差別 / スティグマ / 尺度開発 / 精神的健康 |
研究開始時の研究の概要 |
産業保健の現場では、障害や疾病を抱えた労働者が増加しているが、職域での差別に直面する者も多く、差別の自覚が障害や疾病と健康との関係に影響する可能性がある。 本研究課題では、①職域での主観的差別を評価する尺度を開発し、②多くの障害や疾病を抱えた労働者を雇用している企業を対象に最長2年の前向きコホートを構築し、障害の程度、差別の状況、職場の心理社会的要因、アウトカムとして、心理的ストレス、ウェルビーイングを収集する。それらの関係を検証することにより、今後増加する障害や疾病を抱えた労働者の健康管理に資するエビデンスを提供することにより、障害や疾病を抱えた労働者の働きやすい職場環境の醸成を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、障害の程度とそれらの要因と心理的ストレスやワークエンゲイジメントとの関連に及ぼす影響を明らかにすることであった。そのために、インターネット調査会社のパネルを利用して、障害のある労働者500名、一般労働者1500を対象に、半年間隔で2回調査を実施する縦断研究を行った。障害のある労働者と一般労働者を比較することにより、主観的差別尺度日本語版の信頼性、妥当性の検証や、職場の心理社会的要因と心理的ストレス、ワークエンゲイジメントとの関連を検討した。本研究の成果は、障害や疾病を抱えた労働者に対しての提供が義務付けられている合理的配慮の効果を検討に資するものとが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海外では、障害や疾病を抱える労働者を対象に、職域において、主観的差別が、障害と労働者の健康との関連に与える影響に関する研究の蓄積が進んでいるが、我が国ではほとんど行われていなかった。その理由としては、職域で使える信頼性・妥当性のある尺度が存在しなかったこと、障害や疾病を抱える労働者の心理的ストレスやウェルビーイングに ついての関心が低かったこと、が考えられた。本研究課題により得られる結果は、障害や疾病を抱えた労働者に対して提供される合理的配慮の効果を障害や疾病を抱える労働者の主観的差別の程度から把握できるようになり、もって、障害を抱える労働者に対する産業保健活動をより進める契機となる。
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