研究課題/領域番号 |
20K18957
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 啓 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (70847574)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 糖尿病 / 重症化予防 / 臨床疫学 / 受診中断 / 医療政策 / 社会医学 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病治療の主目的は、合併症の発症予防である。そのためには、糖尿病自体の長期間受診継続が必要であるため、受診中断は極めて重大な問題である。プライマリケアでの診療実態を反映した受診中断、医療従事者因子・患者因子を捉えることが出来る、追跡可能性が担保されたレセプトデータベースで、受診継続に関連する背景・介入因子を同定することによって、糖尿病の受診中断予防策を模索する。具体的には、市販のデータベースなどを用い、請求情報に基づく診療行為を元に、有効な介入法を多変量ロジステック回帰により推定し、その後擬似ランダム化を行い、有効な政策提言になりうるかどうか、検証する。
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研究成果の概要 |
糖尿病の早期治療介入・治療継続に関する医療政策立案に役立つ研究を行った。 糖尿病の診断基準を初めて健診で満たした人が、受診勧奨後に受診するかどうかを予測するモデル構築を施行した。13 因子を用いた既存予測モデルよりも、機械学習で作成した4つの変数で予測したモデルの方が予測性能が高かった(Diabetes Care. 2022 Jun 2;45(6):1346-1354. )。初回受診後に、ガイドライン推奨治療を受けた群の方が、受けない群に比べて、交絡因子などを調整してもその後の受診中断が少なかった(J Diabetes Investig. 2021 Sep;12(9):1619-1631.)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでは、受診しない人はそもそも解析対象にならないことが多かったが、保険者ベースのレセプトデータベースを用いることにより、研究可能となりかつ機械学習を用いることで効率的な介入の可能性を示すことが出来た。以上のことから、より受診中断に重要な方法を模索した研究は存在したが、どうしても積極的に研究に参加するという選択バイアスが強かったが、レセプトデータベースを用い、疫学的手法を駆使して有効である可能性が高い介入方法を見いだした。シンプルな結果であり、政策立案に取り込まれる可能性もあり、社会的な意義は大きい。
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