研究課題/領域番号 |
20K18984
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東北大学 (2022) 東京都立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小林 智哉 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30603245)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 死後CT / 画質改善 / 死亡時画像診断 / 複数回撮影 / 画像加算 / オートプシーイメージング / 画像評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は死亡時画像診断において、同一遺体のCT撮影を複数回行うことによる画像加算によって、死亡時画像診断のCT(死後CT)画像の新しい画質改善方法を開発する。 医療機関で実施される患者等のCT検査は、被ばくを低減し、体動による画像ブレを最小限にするために、必要最小限のX線量による短時間撮影が必要である。一方、死後CT撮影では被ばくと体動を考慮する必要がなく、大線量での繰り返し(複数回)の撮影が可能である。本研究は遺体の撮影を複数回実施し、得られたそれぞれの画像を加算処理することで死後CT画像の画質向上を図る。本研究の知見は、死因究明の向上のみならず、患者等のCT検査にも還元できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
死後CTの新しい画質改善法として、同部位複数回撮影による画像加算処理(fused CT)の開発を試みた。 ファントム実験で、複数回撮影から得られた画像を加算することでコントラストと鮮鋭度を低下させずにノイズが軽減することを実証した。これを元に症例検討を重ねていくなかで、目的とする部位ごとにコントラストと鮮鋭度を改善することが必要となった。追加のファントム実験にて、管電圧と画像再構成方法を検討することで、それぞれコントラストと鮮鋭度が改善し、肺動脈血栓塞栓症などを明瞭に描出することができた。 今回の研究によって画質改善が達成され、死因究明を向上させる新しい死後CTの画質改善法を考案できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では死因究明に死亡時画像診断が応用されており、年間約15万件以上が画像検査による死因究明が実施されていると推測される。そのほとんどは死後CTが実施されているため、今回の画質改善によって死因究明の向上に寄与することができた。 さらに今回の開発は、大量のX線が照射されるため、生体での実験、検証は不可能であり、死後CTでしか達成することができなかった。生体でも体動がなく画質向上がメリットとなる症例においては、本手法の応用が可能であり、新たな画像診断の基準を検討する機会を提供する。
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