研究課題/領域番号 |
20K19046
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐久間 篤 東北大学, 大学病院, 助教 (90733759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | せん妄 / バイオマーカー / 抑うつ / 不眠 / 予測スコア / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
せん妄は身体疾患の増悪や治療に伴て生じる意識障害のことです。高齢化が進展する本邦ではせん妄になる患者が増加し、医療事故の増加や医療者の疲弊など、患者と医療現場双方に多大な負担を引き起こしています。本研究では、日常の臨床現場で取得される血液検査、生理検査、画像検査等を用いて、せん妄発症のリスクをリアルタイムに予測する指標を開発します。これにより、本邦におけるせん妄対策の向上、医療者の負担軽減、せん妄発症機序の解明に貢献することを目的としています。
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研究成果の概要 |
せん妄の発症には、高齢、認知機能低下、飲酒歴、睡眠薬の使用といった患者背景に加え、抑うつや不眠などの精神症状、そして炎症反応、電解質異常といったバイオマーカーが複合的に影響する可能性が指摘されてきました。しかし、高齢化する日本社会において、臨床現場で活用しやすい複合的な指標は不足していました。本研究では、がんを持つ患者さんにご協力をお願いし、入院中に活動量計であるアクチグラフを装着してもらい、精神症状の評価を行い、せん妄を始めとした精神症状と関連する指標を探索的に検討しました。その結果、アクチグラフにより計測可能な活動量の減少が精神症状の発症と関連する可能性が明らかになりました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身体疾患の治療中にせん妄や精神症状(抑うつや不眠)を発症すると、予後が悪化したり、認知症を発症する危険性が高まることが指摘されてきました。リスクが高い方に重点的な支援を提供し予防することが理想ですが、高齢化が著しい本邦では大半の入院症例がハイリスクに該当してしまうため、真にケアを要する患者が識別可能な客観的指標が求められてきました。本研究により、活動量計であるアクチグラフで計測可能な日中の活動量の低下が、せん妄リスクを高める抑うつの発症と関連する可能性が示唆されました。入院後に低下しやすい活動量の低下を予防することが精神症状を改善し、せん妄や身体疾患の予後改善に関連する可能性が示されました。
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