研究課題/領域番号 |
20K19223
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
新井 志穂 東京医科大学, 医学部, 講師 (10774367)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | バス運転者 / 疲労 |
研究開始時の研究の概要 |
バス運転者における健康起因事故は数年間で急激に増加している。健康起因事故の原因疾病は、心血管系疾患が多いことが指摘されている。バスが事故を起こした場合は、多くの人を巻き込むため社会的な影響が大きい。そのため、バス運転者の心血管系疾患の予防をすることが必要である。心血管系疾患の原因のひとつとして、疲労の蓄積があることが明らかになっている。各々の要因が相互に影響しあって疲労を蓄積させることもある。本研究では、バス運転者の疲労とその関連要因間の関係を明らかにすることを目的とする。そうすれば、疲労の蓄積を抑制することができ、心血管系疾患の発症を減少させ、健康起因事故の減少につながると考えられる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、バス運転者の疲労とその関連要因間の関係を明らかにすることである。本年度は、疲労の関連要因について改めて整理した。バス関係者からバス運転者が現在置かれている状況について話を聞き、文献検討とも合わせて調査項目についての検討を加えることとした。バス運転者に特有な疲労の要因と考えられることとして、乗客への対応に関すること、道路・交通状況、出張を伴う業務が多いことなどが挙げられた。乗客への対応に関することでは、Zhihaoらが乗客対応によるストレスが、情緒面での疲労と精神面での疲労に影響を与えることを明らかにしている。また、道路・交通状況については、野沢らによると道幅、人道・車道との分離、交通量などが運転作業の負担を生じるとのことである。疲労の評価指標についても検討を行っている。特に、乗客対応によるストレスについては、Zhihaoらは適切な尺度が見つからず、著者が作成した質問を使用したとのことであった。感情労働尺度を用いることも考えているが、看護師やコールセンターを対象とした感情労働尺度はあるものの、運転者を対象とした尺度は見つかっていないため、さらに検討を進めたい。対象者については、特定のバス会社への依頼の他、バス運転者の関係団体への依頼、バス運転者が多く集まる大型バス駐車場で参加者を募ることなどを候補に入れることを検討中である。市街地を走る路線バスか、長距離を走る宿泊を伴う貸切バスの運転者かなどの対象の特性や、繁忙期か閑散期かなどの調査時期により、疲労の要因が異なると考えられる。今後、さらに検討を加えたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の感染状況の影響により、2020年度からの計画のスケジュールが全体的に遅れている。また、COVID-19の感染状況下における要因が疲労に与える影響も考慮する必要があるためである。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類となり、感染対策の在り方の変化や旅行者の増加など、バス運転者を取り巻く状況が、今後も更に変わると考えられる。そのため、バス運転者や関係者に状況を聞きながら、計画を進めたいと考えている。
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