研究課題/領域番号 |
20K19309
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 広島都市学園大学 |
研究代表者 |
猪村 剛史 広島都市学園大学, 健康科学部, 講師(移行) (80760016)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 機能回復 / 脳梗塞 / バイオインフォマティクス / マイクロRNA / 脳卒中 / 予後予測 / 分子制御 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAの塩基配列を変化させずに遺伝子発現調節を行うエピジェネティクスが注目され,脳卒中発症や発症後の機能回復に多大な影響を与えることがわかってきた.そのひとつとして知られるマイクロRNAは,虚血性脳卒中の回復に寄与するバイオマーカーとして注目されているが,その発現動態や分子制御は極めて複雑であり,その解析に難渋することがある.マイクロRNA解析に人工知能を活用することで,多因子の相互関係を多面的に考慮した新規治療標的の探索に繋がる可能性がある.
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研究成果の概要 |
エピジェネティクス因子のひとつとして知られるマイクロRNA (以下、miRNA)による遺伝子発現制御は、脳梗塞の回復に関連する神経可塑性に重要であることが予測されるが、脳梗塞後の機能回復におけるmiRNAの役割は依然として不明である。本研究では、急性期脳梗塞患者において機能予後の違いによって特異的に変化するmiRNAを網羅的に探索することを目的とした。シーケンス解析により、機能予後良好群と機能予後不良群の間で発現が異なるmiRNAを探索した結果、35個のmiRNAが予後良好群で発現が低下したDEMとして同定された。さらに、15個のmiRNAが予後良好群で発現が上昇したDEMとして同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞治療は、主幹動脈閉塞に対する血栓回収術による治療成績の飛躍的向上を例に日進月歩であるが、依然として多くの脳梗塞患者は後遺障害の残存を余儀なくされ、社会保障費の観点からも治療成績向上は喫緊の課題である。本研究により、機能予後の違いによってmiRNAの発現が異なることが示されたことは、脳梗塞後の機能回復にエピジェネティクス制御の一つであるmiRNAによる遺伝子発現制御が関与する可能性を示すものである。本研究成果は、脳梗塞後の後遺障害に対する新たな治療戦略開発の一助となることや予後予測に繋がる可能性がある。
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