研究課題/領域番号 |
20K19371
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 直哉 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (90824665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | パーキンソン病 / すくみ足 / Wearable sensors / 二重課題 / 認知付加トレーニング / 視覚フィードバック / 運動学習 / 安定性限界 / ステッピング / 代償的姿勢反応 / バランス練習 / 姿勢制御能力 / 静的バランス / 感覚フィードバック / 姿勢制御 / 聴覚フィードバック |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病 (PD) 患者の転倒を誘発するリスク因子として,すくみ足や姿勢制御障害が特定されており,その症状の改善はリハビリテーション分野における重要な課題である。近年,PD患者の随意的な重心移動量の低下とすくみ足との間の関連性は示唆されているが,PD患者特有の歩行障害や姿勢制御障害に有効な介入方法は明らかになっていない。本研究では,入院および在宅PD患者を対象に,床反力計ならびに加速度計を用いて下記2点について検証する。 ①随意的な重心移動の促通を目的とする感覚フィードバック練習に用いる感覚情報の違いが学習効果に与える影響 ②随意的な重心移動量の変化と歩行障害(特にすくみ足)との関連性
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,パーキンソン病患者の主要症状であるすくみ足や姿勢制御障害の改善を目的として,運動学習に着目した新たな感覚フィードバック練習を考案することだった。 令和2年度には,健常若年者を対象に動的バランス課題に対する感覚フィードバック練習の学習効果を比較検証し,聴覚情報が視覚情報よりも運動学習に効果的であることを報告した。 令和3年度には,対象となるすくみ足のあるパーキンソン病患者の姿勢制御能力の検証を行い,健常高齢者およびすくみ足のないパーキンソン病患者と比較して安定性限界と呼ばれる重心の最大移動範囲が狭小化している一方で,立位時の動揺範囲など静止立位中の姿勢制御能力はすくみ足のないパーキンソン病患者と比較して有意差がないことを報告した。従って,パーキンソン病患者におけるすくみ足に最大重心移動範囲の狭小化が関係していることを示唆した。 令和4年度には,パーキンソン病に対して行われる従来の運動療法に認知課題を加えた介入は,すくみ足の有無にかかわらずパーキンソン病患者の歩行能力を改善し,特に日常生活に必要とされる2つの課題を同時に実施する能力に対して有効であることを示した。また,健常若年者を対象に視覚フィードバック練習が静的バランス能力に与える学習効果を比較検証し,視覚フィードバックの与え方を変化させることで,学習効果が変化することを報告した。本研究の成果はパーキンソン病患者に対する運動介入への応用が期待された。 令和5年度には運動療法がすくみ足に与える効果について報告した。なお,本研究の成果については現在執筆中である。加えて,臨床現場での応用に向けて,wearable deviceによるすくみ足の客観指標化を実現し,すくみ足の重症度に応じて段階的に計測した指標の差が認められることを報告し,臨床現場でのすくみ足の客観指標化への貢献が期待される。
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