研究課題/領域番号 |
20K19379
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
荒川 英樹 宮崎大学, 医学部, 教授 (60746436)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 精神科リハビリテーション / 精神疾患 / 身体活動量 / 運動療法 / ロコモティブシンドローム / フレイル / 理学療法 / 精神科医療 / リハビリテーション / 地域移行 / 活動量 / サルコペニア |
研究開始時の研究の概要 |
近年、精神科医療では入院医療から在宅医療への「地域移行」を進める体制が強化されている。治療抵抗性の精神症状により長期間の入院治療を余儀なくされ、長期入院に伴う身体機能や日常生活動作の低下が地域移行を阻害している場合も多い。リハビリテーション医療では回復期リハビリテーション治療による在宅復帰が一般化しており、地域移行に必要な経験や知見が十分に蓄積されつつある。リハビリテーション治療の対象は身体障害が中心となることが多く、精神疾患患者の症状や特性とは異なることが予想されるが、それらを含めて精神科医療と精神疾患患者に対するリハビリテーション治療、特に運動療法の有効性、可能性を検証する研究である。
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研究成果の概要 |
精神科療養病棟入院患者では、地域生活者に比してロコモティブシンドローム、フレイル、サルコペニアの有病率が明らかに高く、身体機能、運動機能の低下を生じていることが明らかとなった。このことは、長期入院による加齢、高齢化とともに、入院生活で生じる低活動が大きく関連しており、特にロコモ度は日常生活の自立度にも影響を及ぼす可能性が示唆された。これらの現状は、精神疾患患者の地域移行を阻害する一因ともなっており、対策としてリハビリテーション治療、特に理学療法、運動療法の有効性が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神科医療では、入院医療から在宅医療への「地域移行」を進める体制が強化されており診療報酬改定などにも反映されている。慢性期精神病棟入院患者では、地域生活者に比してロコモティブシンドロームの有病率が明らかに高く、精神症状とともに入院生活による低活動が大きく影響している。慢性期精神病棟において長期入院患者の地域移行を実現していくためには、精神症状の安定以外に身体機能や運動機能、移動能力や日常生活活動を回復、改善する必要性が高い。精神科リハビリテーション治療では、精神科作業療法に加えて、精神科理学療法として運動療法を積極的に実施することが重要であり、リハビリテーション医学の新領域として重要である。
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