研究課題/領域番号 |
20K19385
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋介 東北福祉大学, 健康科学部, 助教 (20704381)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 上腕骨外側上顆炎 / 経頭蓋磁気刺激 / 半球間抑制 / 運動誘発電位 / 運動器 / ニューロモデュレーション / 運動制御 / 腱・靭帯付着部症 / 神経メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
腱・靭帯付着部症は,腱・靭帯が骨と結合している部位に誤った身体の使用を繰り返すことで過剰な負荷がかかり発症する炎症性疾患である.これまでに腱・靭帯付着部症の神経メカニズムについて検討した報告は少なく,有病者の運動時にどのような脳活動が生じているのか明らかになっていない.本申請課題では,腱・靭帯付着部症の有病者では健常人と異なる脳内神経回路が再構築されているという仮説のもと,代表的な疾患である上腕骨外側上顆炎の有病者を対象に申請者がこれまで使用してきた神経生理学的手法を用いて運動時の運動関連領野の活動量を計測し,健常者と比較して過剰な脳活動が生じているか明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では、慢性の上腕骨外側上顆炎患者の脳機能を経頭蓋磁気刺激装置を用いて評価し、肘関節の痛みと関連性を検討した。その結果、患者群では半球間抑制の指標として評価したIpsilateral Silent Period(iSP)、特に右半球からのiSPが健常群と比較して有意に増加していた。また半球間抑制バランスの指標として右半球のiSPを用いて左半球のiSPを正規化したものと痛みに有意な負の相関を認めた。すなわち、慢性上腕骨外側上顆炎患者では、左半球からの半球間抑制と比較して右半球からの半球間抑制が強くなるほど痛みが強いという傾向を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
患者群では右半球への磁気刺激で得られたiSP抑制期間が健常群と比較して有意に増加し、右半球から左半球への抑制が増加していることが明らかになった。この変化は更なる痛みを予防するための適応的変化と考えられた。また、半球間抑制バランスの指標として右半球のiSPを用いて左半球のiSPを正規化したものと痛みであった。すなわち、慢性上腕骨外側上顆炎患者では、左半球からの半球間抑制と比較して右半球からの半球間抑制が強くなるほど痛みが強いという傾向を示した。この変化は新たな治療対象となる可能性がある。
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