研究課題/領域番号 |
20K19393
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
上原 信太郎 藤田医科大学, 保健学研究科, 講師 (30725130)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 運動 / 脳卒中 / 上肢 / 到達運動 / 経頭蓋磁気刺激 / 機能回復 / 運動機能回復 / 神経生理学 / 神経興奮性 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中発症後、運動機能は早期より回復を示し、その後も数ヶ月に渡り緩やか回復曲線を描く。この回復過程の背景にある神経機序の一端として、神経システムの機能的変化、とりわけ神経興奮性の状態(興奮と抑制のバランス)変化とそれによって誘導される構造的変化(軸索発芽、樹状突起分岐、シナプス形成など)の重要性が動物実験により示唆されている。しかしながら、ヒト脳卒中患者において神経興奮性の状態変化が運動機能回復に関係しているのかは明らかではない。そこで本研究は、脳卒中後の神経興奮性バランスおよび運動機能を継時的に評価し、運動機能回復に関係する神経生理学的機序を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、脳卒中発症後に生じる上肢の運動機能障害とその回復過程に関する神経機序について、非侵襲的脳刺激法の一つである経頭蓋磁気刺激を用いて検証することである。まず、脳卒中後の上肢の運動機能回復を定量化するため、重力の影響を除いた水平面上での到達運動を解析した。軽度麻痺群では到達目標までの手先の軌跡に関する運動学的パラメータが、到達運動が困難な中等度~重度麻痺群では手先位置の総変位量が機能回復を反映する指標となることを示した。一方で、脳卒中後の上肢の運動機能には、一次運動野を含む脳の電気生理学的指標よりも末梢の神経・筋機能を反映する電気生理学的特性が関係している可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳卒中発症後に見られる上肢の運動麻痺とそれに起因する運動機能障害は、多くの患者で後遺障害として残存し、日常生活活動や社会復帰を妨げる要因の一つになっている。しかしながら、上肢運動機能障害とその回復過程に関する機序は未だ十分には明らかにはされていない。本研究はまず、上肢の運動機能およびその回復を定量化するための指標を示した。さらに、運動機能と関係する電気生理学的指標を示した。これらの成果は、今後の統合的な縦断的分析を進めるための足掛かりとして位置付けることができる。
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