研究課題/領域番号 |
20K19505
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター (2022) 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 (2020-2021) |
研究代表者 |
伊藤 尚基 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, プロジェクトリーダー (50746534)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 骨格筋 / サルコペニア / マイオカイン / Ca2+シグナル / 乳酸 / 運動 / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会である日本において、加齢による骨格筋量・筋力の低下(サルコペニア)は喫緊の社会的・医学的課題である。本研究では、申請者が開拓してきた”骨格筋Ca2+シグナルの活性化”が運動依存的なマイオカインの分泌に与える影響を明らかにする。そしてこの分子機構の破綻が、加齢依存的なマイオカインの分泌不全を招き、サルコペニアおよび加齢に伴う代謝・多臓器相関不全を誘引するという仮説を検証し、サルコペニアに対する創薬技術基盤を構築する。
|
研究成果の概要 |
加齢に伴って適切な筋量・筋力を維持できなくなるサルコペニアが医学的・経済的課題となっている。高齢者では運動依存的なマイオカインの分泌が生じにくくなっており、サルコペニアとの関連が示唆されている。しかし、加齢に伴い、運動依存的なマイオカインの分泌が低下する原因は明らかになっていない。本研究では乳酸が骨格筋Ca2+シグナルの活性化を介して、マイオカインの一つであるIL-6の発現を制御していることを明らかにした。そのため、”運動→乳酸の上昇→細胞内Ca2+濃度の上昇→マイオカインの分泌の促進”という経路の破綻がサルコペニア病態の一端を担っている可能性が明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢に伴うマイオカインの分泌不全の原因は大部分が未解明であり、その改善法も確立されていない。その理由として、”運動や筋収縮という刺激が、どのようなメカニズムを介してマイオカインの分泌を促進するのか?”という基本的な問いに対する答えが得られていないことが挙げられる。本研究によって、乳酸依存的なマイオカインの分泌機構が明らかになった。特に高齢者では代謝系の破綻が生じていることが報告されており、乳酸依存的なマイオカインの分泌機構の破綻がサルコペニア病態の一端を担っている可能性がある。今後、より詳細な分子機構を明らかにすることで、サルコペニアに対する分子標的・創薬技術基盤の構築が期待される。
|