研究課題/領域番号 |
20K19572
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
藤尾 公哉 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究員 (50778941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脳波 / 姿勢制御 / 立位制御 / 立位バランス制御 / 経頭蓋直流電気刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、運動学習を促進するツールの1つとして、経頭蓋直流電気刺激の有用性が実証されてきた。ところが、全身の多関節協調を必要とする立位バランスについては、一致した見解が得られていない。本研究では立位バランス課題中の脳活動の個別性に着目して、この問題にアプローチする。 はじめに、①バランス課題の負荷量に応じた脳活動の違いを明らかにし、②課題初期の脳活動に応じて、電気刺激による学習促進効果が異なるかについて調べる。 本研究の成果をもとに、カスタム・メードに脳活動を最適化させ、立位バランスの改善を加速する運動プログラムの開発へと展開していきたい。
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研究成果の概要 |
近年、立位制御という無意識に実行される系においても、大脳皮質が大きく貢献している。本研究では、立位バランス課題中の脳の賦活レベルに注目し、ニューロモデュレーション法(経頭蓋直流電気刺激:tDCS)の効果が脳の活動状態に応じて異なるか明らかにすることを目的とした。今回の研究期間では、立位バランスの変化に対して鋭敏に反応する指標を明らかにすることを目標に、課題の難易度に応じた脳波の変化について調べた。その結果、バランス要求の増大に伴い、β / low-γ帯の振動が減衰すること、脳運動関連領域と下肢筋活動の連結強度が増大することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに多くの研究によって、姿勢制御における大脳皮質の関与が証明されてきた。本研究では、近年、動的課題に対しても適用範囲が広がった脳波計測によって、バランス要求の異なる条件間の脳活動の違いを検証した。数十秒にわたる脳波の律動と、十ミリ秒スケールの動的な変調を区別して検討することで、安定した立位に置いても姿勢動揺に合わせて脳活動が変調していることを示した点は、ヒト姿勢制御の神経機序に関する新しい学術的知見になると思われる。今回、明らかにした知見をもとに、ニューロモデュレーション法の適用判断に応用を進めることで、立位バランス障害の治療介入という側面において社会的意義を持つものになると期待できる。
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