研究課題/領域番号 |
20K19637
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒木 亮佑 京都大学, 医学研究科, 医員 (20848212)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | インクレチン / 腸内細菌叢 / 新生児 / 早産児 / 血糖変動 / メタボリックシンドローム / インスリン / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
早産児における「食事に反応してのインスリン分泌調節機能の未熟さ」はメタボリックシンドローム発症のリスクとなる一方で、病態および成熟過程は明らかでない。「正常な腸内細菌叢の確立により、インクレチン分泌の成熟を介して、インスリン分泌調節機能が成熟する」という仮説を元に、大きな血糖変動を呈する児におけるインクレチン、インスリン分泌と腸内細菌叢の関連、及び出生前・後の環境や状況が児の細菌叢に与える影響を解析する。腸内細菌叢の変化とインクレチン、インスリン分泌との関連を検討することで、最終的にはメタボリックシンドローム発症を抑制するための新たな治療標的・創薬開発へ繋げることが目標である。
|
研究成果の概要 |
早産児のインクレチン分泌とインスリン分泌について、これまでのデータ蓄積と合わせて、以下の2点を報告した。①早産児でも正期産児と遜色ないインクレチン分泌を行っていること、②早産児でも、生後の経腸栄養確立に伴ってインクレチン分泌が促進されること(J Diabetes Investig 2021)。この成果は、本研究におけるコントロール群において、生後の経腸栄養の確立に伴って、インクレチン分泌調整が確立してくることを裏付けていると言える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
早産・低出生体重児は将来のメタボリックシンドローム発症のリスクが高い。我々は、このような児の中に、生後早期に大きな血糖変動を呈するものの、成長と共にそのような血糖変動が改善する児がいることを報告してきた。今回の我々の成果により、生後経腸栄養の確立に伴うインスリン分泌調節機能が成熟してくることが示唆された。さらに腸内細菌叢の確立との関連を検証することで、成長・成熟に伴うインスリン分泌調節機能の成熟機構が明らかになることが期待される。これにより、新生児期のより良い血糖管理に資するだけでなく、早産児の将来のメタボリックシンドローム発症の病態解明にもつながる可能性がある。
|