研究課題/領域番号 |
20K19664
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
高橋 淳太 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20838388)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | フレイル / 生活活動 / 多様性 / 地域在住高齢者 / 縦断研究 / お達者健診 / フレイル(虚弱) / エントロピー / 評価法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年"アクティブカウチポテト"という概念が提唱されており、日常的に運動をしていても、それ以外の時間で不活動時間が長いと健康に悪影響をもたらすことが報告されている。すなわち、特定の活動だけ行っていればよいのではなく、様々な活動を偏りなく行う"生活活動の多様性" が高齢期の健康にとって重要な指標となる可能性がある。 しかし、現在のところ生活活動の多様性を評価する指標は存在せず、健康アウトカムとの関連も不明である。 そこで本研究では、生活活動の多様性の評価表を作成し、地域在住高齢者を対象に生活活動の多様性と要介護状態の前駆状態であるフレイルとの関連を横断的・縦断的に検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、高齢者における生活活動の多様性に着目し、生活活動多様性を評価するための評価指標の開発と、生活活動多様性と要介護状態の前駆状態であるフレイルとの関連を横断的・縦断的に検討することを目的とした。計画3年目となる本年度は、昨年度実施した縦断研究の結果を解析し、研究成果として論文発表を行った。 板橋区フィールドにおける地域在住高齢者を対象とした会場調査の結果を基に、社会人口統計学的因子と心身機能因子を調整したロジスティック回帰分析を行い、フレイルの発生と生活活動多様性の関連について解明した。フレイルの判定は日本版Cardiovascular Health Study(J-CHS)基準を用い、生活活動多様性の評価は初年度に作成した生活活動多様性評価票(Activity Diversity Questionnaire)を使用した。 ベースライン調査の参加者が769名、その内除外基準により443名が除外された(データ欠損:111名、J-CHS基準該当数≧1:332名)。2年後の追跡調査の追跡不能者は119名であった。最終解析対象者は207名(年齢中央値:73 (範囲65-89)歳、女性:125 名(60.4%))であった。最終解析対象者の内、健常群が143名(69.1%)、フレイル群が64名(30.9%、プレフレイル;62名、フレイル;2名)であった。生活活動の多様性スコアが2年後のフレイル発生に関与することが確認され、そのオッズ比はそれぞれ0.61であった(多様性スコアを標準化したのちにモデルに投入)。以上より、生活活動の多様性はフレイル発生のリスク因子であり、生活活動の多様性を維持することが高齢者の介護予防において重要であることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り縦断研究を行い、その成果を論文にして発表することができた。そのため、概ね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
高齢者の介護予防において、生活活動の多様性の重要性は示せたものの、実際に地域在住高齢者の生活活動の実施パターンは不明である。今後は地域在住高齢者における生活活動の実施パターンおを解明し、介護予防の具体的介入策の開発につなげる予定である。 なお、今後の研究に関しては既に取得しているデータで解析可能なため、主にデータ解析や学会発表、論文作成などを行う予定である。
|