研究課題/領域番号 |
20K19676
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
清水 真祐子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (20759021)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | NASH / 線維化 / 可視化 / リン脂質 / 病態特異的マクロファージ / ベルベリン / コレステロール / コール酸 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 肝線維化 / マクロファージ / マウス / 肝線維化モデルマウス / A/Jマウス / モデル動物 / 病的脂質 / 肝線維化モデル動物 / TSNOマウス / 脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝臓で炎症が持続して線維化を生じ、肝硬変や肝癌などに至る可能性がある疾患である。線維化は進行するほど治療が困難となるため肝線維化治療が不可欠である。線維化を促進する物質を分泌するマクロファージはその治療標的となると考えられる。その一方で、生活習慣病であるNASHの根本的な原因、すなわち栄養因子などを是正しない限り、治療薬で線維化進行を抑えられたとしても再発するリスクがある。 本研究ではマクロファージが活性化して肝炎から線維化に至る機構を栄養因子の観点から解明し、栄養因子によってマクロファージを制御することで肝線維化の進展および再発予防法を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究ではマクロファージの制御が非アルコール性脂肪肝炎における線維化への進展を抑制すると仮説をたてた。新規NASH線維化モデル動物(iHFC-A/Jマウス)では病態進行に伴い肝臓へのマクロファージ動員が増加し、脂質の貪食と活性化後、周囲に集まった線維芽細胞と相互作用して線維が進展することを組織学的に可視化した。本モデルを用いるとベルベリンがマクロファージ集簇を抑制し、線維化病態の発症を抑制することが分かった。ベルベリンに肝臓内脂質の排出を促進する作用がないことを実証したため、ベルベリンが直接的にマクロファージを制御している可能性が示唆され、線維化におけるマクロファージ制御の有用性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ステージ2以上の高度な線維化には肝線維化特効薬による処置がまず必要ではあるものの、生活習慣に端を発するNASHのような疾患は原因を取り除かない限り同様の病態が再発する可能性は高い。本研究はマクロファージ不活化を介した治療法の開発でなく、マクロファージを活性化する特定の脂質を明らかにし、NASH線維化の予防あるいは再発防止につなげ、最終的に肝線維化の根治を目指すためのエビデンスになると考えられる。
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