研究課題/領域番号 |
20K19705
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐々木 毅志 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50834446)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | サルコペニア / 骨格筋 / オートファジー / Fyn / Fyn |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋の筋量調節機構は数多く知られているが、筋量調節におけるオートファジーの機能については不明な点も多い。本研究で対象とするチロシンキナーゼFynはオートファジー活性調節を介して筋萎縮に関与することが分かっている。しかしそのメカニズムには不明な点が多く、Fynがどのような機序でサルコペニアを惹起するかは不明である。 この研究計画では細胞を用いたそのメカニズムの解明、さらにFynノックアウトマウスを用いて一次性・二次性サルコペニアモデルを作成し、Fynがサルコペニアを惹起する因子であるかどうかについての理解を深める。
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研究成果の概要 |
尾部懸垂による後肢非荷重モデルにおいて、Fynノックアウトマウスでは野生型と比較して後肢骨格筋量減少が軽度であり、オートファジー活性の低下を免れ、筋萎縮関連遺伝子の発現も上昇していない事、筋線維断面積が減少しない事を明らかにした。 Fynによるオートファジー活性調節にIL-6/STAT3経路が関与している事をin vitro、in vivo双方の実験系を用いて明らかにした。これら結果よりFynがオートファジー活性を介して骨格筋量維持に負の影響を与える事およびその機序が明らかとなった。目的としていた実験が概ね完了した。結果を国際学会で発表し、英文科学誌に論文投稿を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では骨格筋培養細胞およびマウスを用いたサルコペニアモデルにより、チロシンキナーゼFynがサルコペニアを惹起する因子であるかどうかについての理解を深めた。本研究結果より、FynがIL-6/STAT3経路を介してオートファジー活性を調節し骨格筋量を制御している機構が明らかになった。 サルコペニアは加齢に伴い骨格筋量が減少する原因不明の疾患であり、現時点で有効な治療薬は存在しない。本研究結果はサルコペニアの病態解明に寄与するものであり、Fyn、IL-6/STAT3経路がサルコペニア治療のための創薬のターゲットとなり得る可能性を示した。将来的にはサルコペニア治療への応用が期待される。
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