研究課題/領域番号 |
20K19737
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター (2022) 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) (2020-2021) |
研究代表者 |
大村 卓也 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, 副部長 (40848420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サルコペニア / 筋線維タイプ / 代謝 / ミトコンドリア / フレイル / 筋線維タイプ変換 / 高齢者糖尿病 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
代謝変換(解糖系⇔酸化系)を伴う筋線維タイプの可塑性が骨格筋の質を規定するという概念に基づいて、サルコペニアの病態を解明し有効な予防・治療方法を開発する。 筋量や筋力の低下に注目していては、サルコペニア前期・早期の病態の検出が困難なことから、先行して生じる骨格筋の質や機能の変化に注目する必要がある。蛍光タンパク質によって全ての筋線維タイプを生きたまま識別可能な MusColorマウスの新しい技術を用いて、① in vitro exerciseモデル、② in vivoサルコペニア評価法、を確立し、筋の質的変化に基づくサルコペニアの病態解明と早期診断・予防法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
筋線維タイプの可塑性が骨格筋の質を規定するという概念に基づいて、筋が遅筋化⇔速筋化する機序、およびそれに伴う代謝変換(解糖系⇔酸化系)に関する基盤的研究を行った。筋線維タイプを変化させうる条件をスクリーニングし、筋線維タイプ変換を誘導する条件および因子を同定した。若齢群、中齢群、老齢群の C57BL/6NJclマウスを用いて、組織学的変化とミトコンドリアの呼吸機能を比較検討した。加齢によるミトコンドリア病態変化は筋線維タイプ特異性があること、遅筋線維では低酸素状態による酸化ストレスの亢進がミトコンドリア病態を誘導しうること、ミトコンドリア病態が筋委縮に先行すること、が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サルコペニアは2016年に国際疾病分類(ICD-10)に登録され、世界的に疾患として認識されつつある。超高齢社会が到来した我が国において、サルコペニアの克服は老化研究の最重要課題となっており、そのためには有効な早期診断・予防・治療法の確立が必要になる。 サルコペニアの病態を解明するためには筋量や筋力の低下を来す前から生じる「筋の質的変化」に注目する必要がある。筋線維タイプ変換のメカニズムや各筋線維の代謝特性および相互作用の一端が明らかになった。
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