研究課題/領域番号 |
20K19853
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松室 美紀 立命館大学, 総合科学技術研究機構, プロジェクト研究員 (90822859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 身体表象 / VR / MR / 固有受容感覚 / 痛み / virtual reality / 身体所有感 / 触感 / 身体 / 知覚 / Mixed Reality |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,人間が持つ自身の身体がどのような構造,状態であるかという心的なモデル (身体のメンタルモデル) を,仮想空間における身体の操作により変化させ,知覚や行動の変化が生じるかを検討する. 体験者自身の身体の透明度や色味を変更することにより,身体のメンタルモデル,および,痛みや重さの知覚がどのように変化するかを検討する.さらに,現実では起こり得ない手足の位置関係の変化が身体のメンタルモデルに反映され,行動の変化が生じるかを検討する. 身体のメンタルモデルと知覚に関する認知過程を明らかにすることにより,仮想空間における適切な知覚刺激の決定や痛み等の不快な知覚の軽減が可能である.
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研究実績の概要 |
最終年度は主に実験結果の分析と,理論の構築,成果発表を行なった.痛み知覚に関する実験結果はさまざまな角度から分析を行ったが,対外発表に至る考察は得られず,今後の追試が必要であると判断した.小路位置の変化に関する実験は結果をまとめ,学会発表を行なった.現在論文化に向けて準備を進めている. 本研究課題は,全期間を通して,身体の見た目や表示位置を変更することにより生じる知覚,行動の変化を人間を参加者とする実験を通して検討した. 前腕を半透明とすることにより,前腕に刺激された電気刺激に対して知覚する痛みの減少が生じた.参加者自身の前腕を半透明にした場合も,参加者の前腕に対応するアバターの前腕を半透明紙にした場合も同様の減少効果が観察された.減少量は参加者自身の前腕を用いた方が大きい傾向があり,質問紙への回答等より,身体が半透明となることにより,自身の存在感が希薄化し,そのことが痛み知覚の減少につながったのではないかと考察される. 参加者は,身体の表示位置がずらされたことにより,視覚情報がなくなっても,その部位がずらされた位置にあるように知覚した.この効果は,実験中常に視覚情報が与えられていなかった部位にも波及し,身体の構造に関する知識が身体表象の構築に利用されていることが示唆された.また,立位と座位での結果の違いや,柱に捕まって実験を行なった際の変化の少なさから,参加者は身体表象の構築の際に,触覚情報も取り入れ,視覚情報,視点位置(頭部位置),外界との接触位置とその可動性など,さまざまな情報を統合しているpro=ことが示唆された. 以上より,本研究課題では,身体表象の(再)構築におけるトップダウン(知識),ボトムアップ(知覚情報)の統合,そこから構築された身体表象の変化による知覚行動への影響を明らかとした.
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