研究課題/領域番号 |
20K19905
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
佐久間 拓人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20753627)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 顔表情および音声からの感情推定 / ヒューマンエージェントインタラクション / ヒューマンロボットインタラクション / 感性情報工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はユーザの嗜好をインタラクティブに学習し,インタラクションにユーザの好みを反映することが出来るエージェントの実現を目指している.エージェントはインタラクション中のユーザの音声から感情を推定し,その極性や強度から報酬を自律的に獲得し,ユーザが好むインタラクションを学習する.特に,言語情報を伴わない音響情報から感情を推定するモデルを使用し,嗜好獲得に有用な感情を調査する.また,シミュレータ上のエージェントだけでなく実機ロボットを用いて感性評価実験を通して本手法の有効性を検証する.
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研究実績の概要 |
本研究は音声からの感情推定を用いてユーザの嗜好を獲得し,インタラクションにユーザの好みを反映することが出来るエージェントの構築,およびエージェントに対する印象を向上させることを目的としている. 3年次の成果として特筆すべきものは感情推定・感情表現に関する技術が挙げられる.本研究課題において感情推定はユーザの嗜好学習における要素の一つであり,特に音声からの感情推定が提案システムに組み込まれている.また,ユーザが自然な感情表現であると感じるような技術開発もユーザへ出力する行動価値関数の学習,ならびに感情推定も含めた感情モデルの構築にとって重要な技術である. これまでに引き続き音声と表情から感情推定するモデルの改良に取り組んでいるが,特に感情表現に関する研究の成果が徐々に出始めている.ロボットの身体で感情を表現する研究や,文章から推定した絵文字に基づき応答表情を表出するインタラクティブエージェントに関する研究成果を発表した.また,ドメイン適応によって脳波データの個人差を吸収し,感情推定モデルの精度を向上させた研究成果も発表した. そのほか,商品配置最適化アルゴリズムが算出した最適化後の配置をより正しく評価するためのシミュレータ開発に関する研究発表を国際会議(IEA/AIE 2022)にて行った.感情モデルとは直接の関係は無いものの,本研究でも取り扱うマルチエージェントシステムおよびシミュレータ作成に関する知見の獲得に寄与した研究である.提案したシミュレータは共同研究先から提供頂いたデータから実倉庫におけるピッキングカートの動作を再現することを目的として開発を進めていた.改良の余地はあるものの,共同研究先の方々に納得して頂ける成果を出すことに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者実験を伴わない感情推定モデルの構築に関する研究は進展が見られたが,COVID-19の影響もあり,当初予定していた被験者の主観評価による感性評価実験は現時点においても小規模なものにとどまっている.感情表現に関する研究や,商品配置最適化アルゴリズムのためのマルチエージェントシミュレータ開発など,成果を残した研究も見られるが,本研究課題に対する進捗状況はやや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は本研究が対象としている報酬付与時の音声を用いた感情認識に取り組みたい.大規模言語モデルの発達が顕著であり,音声からの言語認識によって大規模言語モデルを利用した感情認識モデルの構築を模索中である.そのためにはデータ収集から取り組まねばならず,COVID-19の影響によって面着実験の実施は困難であるため,主観評価実験無しで収集する方法を模索中である.現在は国立情報学研究所の音声資源コンソーシアムにて公開されている「感情評定値付きオンラインゲーム音声チャットコーパス (OGVC)」の利用を考えているが,より良いコーパスの探索も続けていく. また,既に着手しているが,実機ロボットへの応用を目指したアプローチの一つとして,リアルタイムかつ直感的に実機ロボットを制御可能な技術であるAssociative Motion Generation(AMG)の改良を進める.
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