研究課題/領域番号 |
20K19963
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
岩上 翔 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70612729)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 山地源流域 / 降雨流出プロセス / 間隙空気 / 土壌水 / 基岩地下水 / 封入空気 / 土層 / 基岩層 / 斜面スケール / 基盤岩地下水 / 地下水 / 測定手法 |
研究開始時の研究の概要 |
降雨流出過程に関する研究では,降雨に対する素早い流出応答を生じるプロセスが未だに説明しきれない課題となっている.また近年,豪雨災害が顕著に増えており降雨流出過程の理解の深化により精緻化された流出モデルの構築は防災の観点からも急務である.斜面内の間隙空気の挙動については主に室内実験において流出現象との関連が指摘されているものの,現地観測によりそのプロセスを示した例は未だほとんど無いと言える.そこで本研究では山地斜面における間隙空気の観測手法について検討するとともに源流部の森林小流域において降雨や流出,地下水位等の水文観測に加えて間隙空気の観測を行い,その流出応答との関係について示す.
|
研究成果の概要 |
本研究において土層内の間隙空気の観測手法として作成した簡易な斜面内圧計の有用性を現地観測において示すことができた.さらに観測井の孔内圧を測定することによって基岩層内の間隙空気の挙動についても把握することができることを示すことができた.封入空気が形成され,間隙空気圧が上昇した降雨イベントを多数観測した.これらについて降水量のパラメータと流出量のピーク流量の関係を,間隙空気圧の上昇が見られたイベントとそうでないイベントで整理した結果,前者の方が大きなピーク流量を示すことが明らかとなった.間隙空気圧とピーク流量に関係性があり,特に斜面下部の浅い地下水における間隙空気圧の効果が大きいことが示された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
降雨流出プロセスにおいて,斜面内の間隙空気の挙動については主に室内実験において流出現象との関連が指摘されているものの,現地観測によりそのプロセスを示した例は未だほとんど無いと言える.本研究では山地斜面における間隙空気の観測手法について検討し,土層内・基岩層内それぞれにおける間隙空気圧の観測手法の有用性について示すことができた.本研究で得られた斜面内における間隙空気の挙動の実態や流出に影響を及ぼす条件等は新たな知見であるとともに,これらの結果は洪水発生や斜面崩壊とも関連し,災害予測において新しい提言へとつながる可能性がある.
|