研究課題/領域番号 |
20K19964
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
青柳 智 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (10812761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 廃水処理 / 汚泥微生物群集 / 嫌気消化 / 酢酸酸化 / 有機酸 / 共生細菌 / メタン生成菌 / 高感度SIP / メタン発酵 / 嫌気リアクター / Stable Isotope Probing / 環境微生物 / 酢酸 / 安定同位体追跡 / 嫌気廃水処理システム / 高精度処理性能予測 / 微生物動態制御 / 微生物動態 / 嫌気酢酸酸化微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者が近年開発した、微生物の機能同定法「高感度SIP」に基づいた動態解析を、近年めざましい発展をみせている「ビッグデータ」解析と融合することで、廃水処理プロセスの高精度な処理性能予測・微生物動態制御という長年の課題に対する科学的基盤の構築を目指すものである。
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研究成果の概要 |
人工廃水を用いて嫌気消化バイオリアクターを467日間運転した。微生物の環境応答をみるため、運転条件の変更を一時的に行った。消化汚泥に13C酢酸または13Cプロピオン酸を添加し、未知微生物の機能同定技術・高感度SIPを適用し、新規な酢酸、プロピオン酸の共生細菌およびメタン生成菌を同定した。リアクター運転期間を通して、同定した微生物の動態を追跡した結果、有機酸が蓄積したイベント時に、メタン生成菌の存在量は減少した。この時、ほとんどの酢酸酸化共生細菌の存在量は減少したが、プロピオン酸酸化細菌は必ずしも減少しなかった。これらの結果は、それぞれの共生細菌でメタン生成菌への依存度が異なることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工環境における微生物の仲介するプロセスとして最大の発展を遂げている汚泥を用いた廃水処理は、世界中で利用されている。しかし、汚泥を構成する微生物は、その実体を把握されないままで、現場の経験や勘に頼ったプロセスの運用がなされてきた。本研究では、創エネ型の廃水処理である「嫌気性廃水処理」をラボスケールで長期間実施し、安定処理と不安定化の際の各種データを蓄積した。その結果、プロセスの安定・高効率処理に重要な未知微生物群の同定とそれらの生育特性を見出した。本研究成果は廃水処理の高精度な性能予測および汚泥微生物の人為制御に向けた重要な知見となる。
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