研究課題/領域番号 |
20K19983
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田上 瑠美 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 助教 (60767226)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 水圏環境 / 化学汚染 / 生活関連化学物質 / 生態影響評価 / 南・東南アジア諸国 / 抗生物質 / 網羅分析 / 生活関連物質 / LC-MS/MS / LC-QToF-MS/MS / 表層水 / 魚類 / ターゲット分析 / サスペクトスクリーニング分析 / 水生生物 / 環境汚染物質 / 化学物質 / サスペクトスクリーニング / ノンターゲット分析 / 生物濃縮係数 / 途上国 / 数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
水質汚染が進行しているアジア途上国に注目し、水圏環境に残留する化学物質の網羅解析を試みる。優先的に調査すべき化学物質を特定し、それらの時空間分布と生態リスクの広がりを数理モデルにより可視化する。曝露影響が危惧される環境汚染物質が明らかになることに加え、監視が必要な地域および時期によってリスクが上昇する地点の情報提供も可能となり、効果的かつ効率的な化学物質管理対策の実現が期待できる。
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研究成果の概要 |
インド、ベトナム、タイを対象に、水圏環境に残留する人工化学物質(医薬品類、生活関連化学物質、ビスフェノール類、人工甘味料など)のターゲット分析およびMS/MSスペクトルデータベースを活用したサスペクトスクリーニング分析を試みた。表層水中化学物質濃度と先行研究で報告された生態毒性値を比較することにより、化学物質の生態リスクを評価した。下水処理場で95%以上除去されるパラベン類、サッカリン、アセスルファムの河川表層水中濃度は顕著に高く、家庭雑排水やし尿排水の直接流入が示唆された。表層水中ビスフェノールAやビスフェノールS濃度は野生魚類への悪影響が懸念される濃度域に達していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南・東南アジア諸国では、都市人口増加率に対して下水処理システムの整備が遅れているため、未処理あるいは浄化処理の不十分な工場廃水・生活雑排水・し尿排水が都市河川へ流出することによる水質汚染が深刻である。しかし、化学汚染に関する情報は不足している。本研究では、生活雑排水・し尿排水・工場廃水に由来する人工化学物質を網羅的に測定することにより、優先的に調査すべき物質の特定および、それらの汚染レベルや生態リスクの広がり(時空間分布)の可視化に取り組んだ。監視すべき化学物質に加えて、時期によってリスクが上昇する水域などの情報を提供できたことから、効率的な化学物質管理対策に資する成果であると考えている。
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