研究課題
若手研究
硫酸還元細菌は、無酸素環境下での石油系炭化水素分解のキープレイヤーであると考えられている。しかしながら、それらの生理生態については未解明の部分が多い。硫酸還元細菌を実際の原油汚染除去に応用するためには、炭化水素分解株コレクションの拡充と分解メカニズムの解明などの基礎的研究が不可欠である。本研究課題では、石油系炭化水素分解硫酸還元細菌の代表的グループであるDesulfosarcina属細菌群を研究対象とする。具体的には、硫酸還元-パラキシレン分解機構の解明、新規炭化水素分解株の獲得、汚染環境模擬系での細菌群の動態評価を行い、石油汚染環境の修復技術への応用をめざす。
石油系炭化水素を分解する硫酸還元細菌であるDesulfosarcina属細菌群の新たな石油成分分解機構の解明と新微生物資源の探索を目的として研究を行った。硫酸還元-パラキシレン分解経路の解明のため、微生物による代謝産物の解析とゲノム解析を行った。また、日本国内の計6つの油田・ガス田・温泉から様々な系統に属する新規細菌株を分離した。これら細菌株について原油分解性能等の検討を行った。
化学繊維の原料となるパラキシレンはアジアにおける需要が増大し、備蓄プラントの建設が急増している。その中で、プラント施設からのパラキシレンの漏洩による潜在的な環境汚染の懸念が高まっている状況にある。化学製品生産の過程で生じる副産物パラトルイル酸の除去についても工業排水処理における課題となっており、パラキシレン関連物質からの環境浄化法の確立が喫緊の課題である。パラキシレンの硫酸還元細菌による分解という、全く未知の代謝を明らかにするという点で本研究は学術的独自性を有している。本研究課題は環境修復法の開発のみならず、微生物生態的・進化学的にさらなる発展の可能性を秘めており学術的意義は高い。
すべて 2023 2022 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Archives of Microbiology
巻: 204 号: 10 ページ: 647-647
10.1007/s00203-022-03261-6
巻: 204 号: 10 ページ: 640-640
10.1007/s00203-022-03259-0
巻: 204 号: 6 ページ: 307-307
10.1007/s00203-022-02870-5
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
巻: 71 号: 12 ページ: 1-1
10.1099/ijsem.0.005138
Bergey’s Manual of Systematics of Archaea and Bacteria
巻: 1 ページ: 1-2
10.1002/9781118960608.fbm00338
巻: 1 ページ: 1-4
10.1002/9781118960608.fbm00328
10.1002/9781118960608.fbm00329
Antonie van Leeuwenhoek
巻: 113 号: 3 ページ: 349-355
10.1007/s10482-019-01345-w
巻: 202 号: 5 ページ: 1069-1076
10.1007/s00203-020-01819-w
Systematic and Applied Microbiology
巻: 43 号: 5 ページ: 126109-126109
10.1016/j.syapm.2020.126109
巻: 70 号: 12 ページ: 6408-6413
10.1099/ijsem.0.004551
http://www.akita-pu.ac.jp/bioresource/dbe/eco/