研究課題/領域番号 |
20K20009
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
安野 翔 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 主任 (80850007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 水田 / 群集 / 水生動物 / 底生動物 / サギ / カエル / 水生昆虫 / 田植え時期 / トウキョウダルマガエル / アキアカネ / タイムラプス撮影 / 食物網 / 安定同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
田植え時期の違いに起因する水田間の環境異質性が、水田地帯の生物多様性に与える影響を解明するために、以下の研究を実施する。 ①田植え時期が田面水中の水生動物群集に及ぼす影響を解明する。 ②田植え時期の異なる水田間において、田面水中の食物網構造を比較する。 ③サギ類による採餌場としての水田利用の経時的変化を明らかにする。 ④田植え時期の異なる水田が混在することで生物多様性に及ぼす影響を評価する。 サブテーマ①の結果を基に、田植え時期の異なる水田が混在することで、地域レベルの 種多様性向上に及ぶ効果を評価する。サブテーマ③の結果を基に、サギ類の潜在的な採餌可能エリアとその経時的な変化をマッピングする。
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研究成果の概要 |
埼玉県北東部において、田植え時期と輪作の有無といった耕作条件の異なる水田[早植え栽培(5月初旬植え)、普通期栽培(6月初旬植え)、米麦二毛作(6月下旬植え)]において、水生動物群集の比較を行った。耕作条件間で群集構造に有意な差が認められた。早植え栽培ではドジョウ、トウキョウダルマガエル幼生、アカネ属幼虫が特徴的に出現し、二毛作水田ではユスリカ幼虫と肉食昆虫が数多く出現した。さらに、高次捕食者であるサギ類をタイムラプス撮影で観察したところ、田植えから40日後までは水田へ飛来したが、50日経過後は姿を確認されなかった。水田は限られた期間のみサギ類の餌場として機能することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、有機農法等の環境保全型農業が水田生態系に与える効果が注目されてきたが、田植え時期や輪作の有無といった耕作条件が生物多様性に及ぼす影響については不明な点が多かった。本研究では、田植え時期によって特定の水生動物が生息することを明らかにした。つまり、田植え時期をコントロールすることで、特定の分類群を保全できる可能性がある。また、サギ類が水田内で採餌可能なのは田植えから概ね40~50日程度であることが明らかとなり、田植え時期の異なる水田が混在すればより長期に亘って水田での採餌が可能になると考えられる。
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