研究課題/領域番号 |
20K20080
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
小笠原 悠 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (40809844)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | レベニューマネジメント / 季節性 / 島嶼地域 / バンドル商品 / オーバーツーリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,航空や宿泊,レンタカーなどの観光関連業界にて世界中で広く活用されているレベニューマネジメントの理論を用いることで,オーバーツーリズムに注目した,明確かつ客観的な収益に基づく持続可能な観光指標を開発する.更に,我が国の宿泊実績データを対象とした時系列分析の実施と,我が国のデータを使用した指標の算出と評価を実施することで,我が国の宿泊から見たオーバーツーリズムの現状を解明する.
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研究実績の概要 |
昨年度に分析を行った宿泊実績の時系列データから抽出した季節性指標による我が国の季節性パターンの類型化の結果をまとめ,査読付き国際誌に掲載した.そこでは,COVID-19の流行では我が国の国内旅行需要は大きく変化したが,COVID-19流行前の2019年以前では国内需要の季節性は大きな変化が見られず,季節性のパターンも概ね全国で似ているという結果が得られた.よって昨年度から,観光需要の季節性が一般的に強く見られる周縁地域,ここではその中でも島嶼地域に注目し,バンドル商品によるレベニューマネジメントの問題を扱った.今年度では,この問題の数理解析で得られた結果をまとめ,国内外の学会での発表や論文投稿を行った.そして,得られた指摘を受けて追加解析や論文の精査を実施した.ここでまとめた結果は現在査読中である. 更に今年度では,仮想的に島嶼地域のバンドル商品を開発した際の実際のバンドル商品の最適価格や総収益への影響を分析するため,小豆島へのフェリーと小豆島内のレンタカーを対象としたアンケート調査を行った.商品に対する支払意思額を求める方法は仮想評価法を採用し,オフシーズンとピークシーズンでの支払意思額の変化や,ピークシーズンにおいて商品の希少性が高まった場合にバンドル商品が商品を個別で購入するよりも割増しになった際の支払意思額も求めるアンケート設計を行った.アンケート設計ではプレ調査を通して設問文の精査も実施した.アンケート結果の概要の確認は既に実施しており,島嶼地域におけるバンドル商品に市場が期待する割引率が,既存研究で示されている一般消費財を対象としたバンドル商品に期待する割引率とおおよそ合致していることが分かっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
季節性パターンの類型化に関する研究成果は,論文の掲載という形で広く公開することが出来た.また,実際のバンドル商品の最適価格・最適割当数の求解に必要な支払意思額を求めるためのアンケート調査についても,季節性による支払意思額の変化を捉えることを目指したアンケート設計を行い,プレ調査による精査を踏まえたアンケートを実施することが出来た.しかし,島嶼地域を想定したバンドル商品の数値解析で得られた結果については,査読の指摘事項の取り込みや査読期間に対して当初の想定以上の時間が掛かっている.そのため,進捗状況はやや遅れているとした.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,今年度に得られたアンケート結果の分析を行い,支払意思額の分布やパラメータを求め,島嶼地域である小豆島において仮想的にバンドル商品を想定した際のバンドル商品の最適価格や,バンドル商品を構成する個々の商品の最適価格を求める.それにより,バンドル商品に対して顧客が期待する割引率の程度や,現状提供されている商品の価格に対する評価,バンドル商品の新規導入で想定される追加的収益の分析を行うことを予定している.
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