研究課題/領域番号 |
20K20171
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
宮本 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (10845481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 共培養 / トランスウェル / 癌細胞スフェロイド / 薬剤アッセイ / 薬物動態システム / Organ on a Chip / 物質拡散 / 肝細胞 / 腸間上皮細胞 / スフェロイド |
研究開始時の研究の概要 |
ガン細胞における薬剤アッセイは重要なアプローチであり、多数の細胞群を有するOrgan on a chipの概念は重要であるものの、生体内における立体的な物質拡散の影響を再現することは困難を極めている。そこで本研究では薬物動態関連細胞である腸管上皮細胞、肝細胞、胆管上皮細胞を物質拡散性が制御できる多孔質インサート膜上で重層化させ生体内における「物質吸収」、「薬物代謝」、「物質排泄」、「物質拡散」を網羅したアッセイシステムを確立させる。本システムを介することで生体類似の薬物動態を実現させ、がん組織に与える薬物動態試験を実現させることを目指す。
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研究成果の概要 |
ヒト肝細胞ならびに腸管上皮細胞を共培養させた薬剤排泄システムを構築するとともに当システムによって代謝された抗癌剤ががん細胞スフェロイドに対する薬剤応答性を評価実施した。 大腸癌細胞株をスフェロイドプレートに播種・スフェロイド化し肝細胞ならびに腸管上皮細胞をセミコンフルまで培養したトランスウェルを介して抗癌剤を添加した。添加24時間後においては肝/腸細胞を介して代謝され添加5日目においては癌細胞スフェロイド外周に存在する細胞が崩壊している形態を示した。これらの結果より肝/腸トランスウェルを介することで生体内の薬物動態を再現することが可能となり、抗癌剤作用機序に違いを与えたことが考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の細胞応答性評価研究では二次元的に複数の薬物動態関連細胞を配列させた技術が報告されているものの、生体内では物質拡散等の影響を考慮する必要性がある。本研究ではトランスウェルの表面ならびに裏面に薬物動態関連細胞である肝細胞と腸管上皮細胞をそれぞれ播種することで立体的な薬剤応答性システムを開発し、薬物動態関連細胞が代謝した抗がん剤によって癌細胞スフェロイドの応答性を評価することができた。これらの結果は生体内での抗癌剤応答を模倣するものであり、今後の薬剤試験へ大きく貢献できると期待する。
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