研究課題/領域番号 |
20K20172
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
今城 哉裕 東京女子医科大学, 医学部, 博士研究員 (10866635)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | がん治療 / メカノトランスダクション / 超音波 / 振動工学 |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療が発展しているが,抗がん剤の副作用が課題である.そこで,副作用が少ないメカノセラピーが研究されている.これは振動刺激等の機械刺激により細胞の機能を制御することで行う治療である.患部への機械刺激の付与により副作用を抑制できるが,がん治癒に直結する成果は報告されていない.そこで,抗がん剤を投与した後に患部に対して局所的に機械刺激を付与し,局所的な抗がん剤の薬効向上が可能と着想した.これを受けて,メカノセラピーと抗がん剤による治療を組み合わせた新たな医療を提案する.本研究では,In vitroで細胞に対して機械振動を付与することで細胞の機能を制御し,細胞に対する抗がん剤の薬効の向上をめざす.
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研究成果の概要 |
この研究は機械振動によるメカノセラピーを用いて、抗がん剤の薬効を向上する新しいDDSの開発を目指しました.がん細胞の罹患部にのみ振動を付与することで薬効の向上を目指しました.kHz帯の線形機械振動を細胞に照射可能なデバイスを開発し,このデバイスを用いて特定の機械振動によって抗がん剤のマイトマイシンCによる細胞死の割合が有意に上昇することを明らかにしました.また,細胞死は機械振動単体では発生しないことを確認しました.さらに,マイトマイシンCを代謝する酵素の量が機械振動によって上昇することを確認しました.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果は、機械振動によるメカノセラピーを用いた新しい抗がん剤のデリバリーシステム(DDS)の開発への可能性を示唆している。機械振動によって抗がん剤の薬効が向上するというコンセプトが実証され、特定の機械振動によって抗がん剤であるマイトマイシンCによって誘引される細胞死の割合が上昇することが明らかになった。この成果には、がん治療におけるDDSの有効性を高め、副作用を減らすことが期待できる社会的意義がある。また、機械振動を用いることで,あらゆる薬剤のDDSの開発の可能性を示唆しており,学術的意義も高い。
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