研究課題
若手研究
初年度では、ナノ粒子の界面においてクリック反応を達成するための反応条件の探索を行う。具体的には、反応濃度、温度、時間の観点から最適化を行う。また、この際に従来行われてきたアミド結合形成反応と比較することにより、本法の有用性を検証する。次年度ではこの最適化した手法によりリガンドを結合させた粒子の細胞認識能力を勘弁に評価する網羅的解析方法の検討を行う。細胞を異なる蛍光でラベルし、顕微鏡による網羅的観察と自動的に定量化した取り込み能力を表す定量値を用いて、実験計画法に基づく網羅的解析手法を確立する予定である。
核酸搭載脂質ナノ粒子は熱力学的に不安定であることから、特定の細胞を標的とするためのリガンド分子の修飾は困難であった。本研究では、この問題を解決するためにナノ粒子表面でクリック反応を利用して、迅速かつ高効率に抗体を修飾させる技術を開発した。また、実験計画法を用いた体系的な最適化手法を開発したことにより、標的細胞へと核酸を送達するために最適な脂質組成や抗体修飾条件を速やかに見出すことを可能とする手法を考案した。これらの基盤技術により作成した抗体修飾LNPにより、皮下のリンパ管内皮細胞へsiRNAを送達し任意の遺伝子の発現を制御できる技術を開発した。
脂質ナノ粒子(LNP)型核酸医薬は、近年のCOVID-19ワクチンで示されたように非常に強力な治療モダリティである。しかしながら、現在開発が進行中のLNP製剤はほとんどが肝細胞を標的としたものか局所投与によるものが殆どであり、対象となる疾患は限定的である。本研究により開発した抗体修飾技術により、肝細胞以外の細胞へとLNP型核酸医薬の対象を拡充することが可能となり、核酸医薬のさらなる発展に貢献しうる。
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