研究課題/領域番号 |
20K20200
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 神戸大学 (2020) |
研究代表者 |
小瀧 将裕 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (10758816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | フラビウイルス / ウイルスベクター |
研究開始時の研究の概要 |
フラビウイルスは安全性、腫瘍溶解性などの点で優れた増殖型ウイルスベクターとなり得る。しかし、ベクター中の外来遺伝子はRNA組換えにより速やかに排除される。外来遺伝子を安定的に発現するベクターは未だに成功例がない。そこで本研究では、RNA変異原、ランダム変異法による網羅的な変異ウイルス作製により、RNA組換えを防ぎ、外来遺伝子を安定化する変異を同定する。そして、安定発現ベクターを作製し、動物実験などで実際の応用可能性を検証する。成功すればフラビウイルスベクター開発のブレイクスルーとなり、遺伝子治療、ワクチン、がんウイルス療法への応用が可能である。
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研究成果の概要 |
フラビウイルスは安全性、腫瘍溶解性などの点で優れた増殖型ウイルスベクターとなり得る。しかし、外来遺伝子を安定的に発現するベクターは成功例がない。本研究ではRNA変異原を用いた網羅的な変異ウイルス作製により、外来遺伝子を安定化する変異の同定を試みた。リバビリンの存在下でレポーター遺伝子を有するフラビウイルスを10回継代し、依然としてレポーター遺伝を有するウイルス3種類を単離した。これらのウイルスに共通した変異が、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性のあるNS5に導入されていた。その領域に変異を有するウイルスをリバースジェネティックス法により作製し、実際に外来遺伝子が安定化するかを検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子導入法の開発は遺伝子治療、ワクチン開発などに有用である。DNAプラスミド、mRNA、ウイルスベクターなどの戦略があるが、ウイルスベクターは導入効率および選択的指向性の面で有望である。フラビウイルスはすでに弱毒生ワクチンが実用化されている。また、ジカウイルスは腫瘍溶解性を示すことが報告されている。以上のことから、フラビウイルスは優れた増殖型ウイルスベクターとなり得る。本研究により実用的なウイルスベクター開発の基礎的検討を行うことで、腫瘍溶解性の高いウイルスの作製あるいはフラビウイルスの2価ワクチンなどに応用が可能である。
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