研究課題/領域番号 |
20K20201
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西村 慎之介 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(PD) (60851475)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ペプチドリガンド / ドラッグデリバリーシステム (DDS) / 高分子バイオマテリアル / がん細胞選択性 / 細胞取り込み / pH応答性 / 液液相分離 / 生体親和性 / ドラッグデリバリーシステム / DDS / がん細微選択制 / ペプチド/ポリマー・ハイブリッド / コアセルベート |
研究開始時の研究の概要 |
がんは日本人の死因第一位であり,化学療法として抗がん剤の開発が盛んに行われている.抗がん剤の副作用が大きな問題となっている今日,ドラックデリバリーシステム (DDS) キャリアーの開発が急務である.これまでに,様々なDDSキャリアーが提案されてきたが,未だ確固たる系は確立されていない.特に,近年では抗PEG抗体が問題となっており,PEGフリーのキャリアーの需要が高まっている.本研究では,がん細胞選択的な取り込みを示すペプチド/ビニルポリマー・ハブリッド型DDSキャリアーの設計と創製をを行う.
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研究成果の概要 |
抗がん剤を用いる化学療法は、がん治療においてしばしば用いられる。しかしながら、抗がん剤は正常細胞をも侵襲するため、高い副作用がしばしば問題となっている。本課題は、がん細胞選択的な取り込みを示すスマートドラッグデリバリーシステム (DDS) キャリアーの実現を目指し、リガンドおよびキャリアー材料の開発を行った。がん組織周辺のpH調整不全を利用し、がん細胞のみに特異的に取り込まれることがペプチドリガンドの開発に成功し、細胞取り込みメカニズムを明らかにした。また、液液相分離を引き起こす生体親和性の高いポリマー材料の開発に成功し、新しい薬物輸送担体としての可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、弱酸性雰囲気で急速な構造転移を起こすペプチドが、その高次構造変化に基づいてがん細胞選択的取り込みを達成した点にある。これは30残基程度の短いペプチドが、高次構造を適切に設計することで天然のタンパク質様の機能を発現できることを示唆している。この様なペプチドはがん細胞にのみ薬剤を輸送できるリガンド分子として高いポテンシャルを秘めており、社会が求めるがん細胞選択的DDSキャリアーの開発に大きく貢献する点で意義深い。
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