研究課題/領域番号 |
20K20202
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
巣山 慶太郎 九州大学, 基幹教育院, 助教 (60707222)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エラスチン様ペプチド / 温度応答性分子 / 光応答性分子 / 自己集合能 / 温度応答性 / 光応答性ペプチド / コアセルベーション / 薬物送達システム / 光線力学的療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、凝集・溶解状態を何度でも切り替えることができ、生体への安全性も高いペプチド・ELPを母体として、光線力学的療法に利用可能なペプチド性医療材料を開発する。ELPは温度変化等の刺激によって凝集体を形成することで、がん組織に薬剤を選択的に輸送可能な素材である。このELPをもとにして、光照射によって凝集・活性化するペプチドを合成し、有効成分のがん組織への輸送能力と、光によるがん細胞選択的な傷害活性を合わせ持つ薬物輸送担体を開発するのが目的である。開発したペプチドを用いて、光を照射するだけで周囲の正常組織を傷つけることなく、がん細胞を選択的に破壊することのできる医療素材への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、天然アミノ酸を原料とすることで生分解性・生体適合性が高く、温度依存的可逆自己集合(コアセルベーション)特性を示すエラスチン由来の合成ペプチド・ELP (Elastin like peptide)を母体として、がん医療、特に、光線力学的療法に適用可能なペプチド性医療材料を開発することを目的とした。我々が以前報告した低分子で温度応答性を示すELPと、光に応答して構造変化を示す分子を組み合わせ、がん細胞への薬物送達能力と、光によるがん細胞傷害活性を合わせ持つELP誘導体の開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光線力学療法は、侵襲性が非常に低い、腫瘍周辺の臓器機能の温存を可能とする先端治療法であり、麻酔を安全に施すことができない等の手術が困難な場合や、臓器温存が必要な場合に必要となる。一方で、ELPは生体や環境にやさしい生体分子素材であり、その温度依存的な自己集合特性を利用し、薬物輸送担体としての応用が期待されている。本研究では、温度と光で自己集合を制御可能な新しい薬物輸送担体を開発し、光線力学療法に適用可能な新しい生体分子素材の開発を目標として行った。
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