研究課題/領域番号 |
20K20247
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
加葉田 大志朗 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (40793435)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 臨床研究 / 観察研究 / 因果推論 / 機械学習 / 変数選択 / 傾向スコア |
研究開始時の研究の概要 |
日常臨床から得られるデータから治療効果等を推定する際には、研究対象者の背景情報等を考慮した上で解析を行う必要がある。解析においてはより臨床的に重要性の高い情報を考慮する必要があるが、近年臨床で得られる情報量が膨大となり、従来の解析手法では適切な取捨選択が困難な状況が多い。また機械学習により情報を取捨選択する手法も提案されているが、切り捨てた情報によって、治療効果の推定値にバイアスが生じることも懸念される。本研究では、膨大なデータをより効率的に取捨選択すると同時に、情報の取捨選択によるバイアスを低減できる解析手法の提案を目的とし、その性能をシミュレーションを用いて検証する。
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研究実績の概要 |
観察研究において関心の治療の効果を適切に推定するためには,研究対象者における膨大な特性情報を考慮する必要がある.高次元な患者特性情報を考慮した治療効果推定量を得るために,近年では機械学習を用いて局外関数を推定した因果推論手法が活用されることも多い.特に計量経済学分野で提案されたdouble/debiased machine learning(DML)推定量は,高次元な患者特性情報の存在下において,従来の機械学習を利用した因果推論手法よりも優れた漸近的性質をもつことが知られている.しかし局外関数の推定に機械学習手法を用いるため,関心の治療の効果推定に対して不適当な因子の影響を強く考慮してしまう懸念が残る.この局外関数推定における変数選択の課題を解消するために,昨年度はアウトカムに関連の強い因子を積極的に考慮できる機械学習手法をDML推定量に応用することの有用性等を評価する研究を行い,国際学術誌に報告した.ただし実際の臨床研究においては,どの機械学習手法が治療効果の推定に対して最も適当であるかを先験的に特定することは難しい.不適切な機械学習手法を選択した場合には,関心の治療効果の推定量にバイアスが生じ得る.この問題を解消するために,本年度は前年度で取り組んだ内容を基盤として,機械学習手法の選択に頑健な治療効果推定量の提案を目的とした研究に取り組んだ.本年度は理論的提案およびコンピューターシミュレーションの実施,状況依存的なパフォーマンスの評価と従来法との比較,実際の臨床研究データへの応用例を提示し,論文にまとめ国際学術誌に投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までに達成された内容を基盤として,より適切な機械学習の選択を可能にする新しい治療効果推定量について取組み,その結果の論文化し,現在国際学術誌に投稿中である.
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進捗し,論文の投稿まで進んでいる.次年度は査読を経て内容をより精査した結果を公表できるよう取り組む予定である.
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