研究課題/領域番号 |
20K20265
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中谷 真太朗 鳥取大学, 工学研究科, 講師 (10781700)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オーラルフレイル / 筋電位 / 運動主体感 / ヒューマンインザループ / ニューロリハビリテーション / FRIT / マニュアルコントロール / 摂食嚥下障害 / 自己主体感 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は舌の運動状態を視覚的に表示することで舌の運動リハビリテーションを助ける装置の開発を行ってきた.このシステムを用いた実験を進めたところ,正しく運動推定できているにも関わらず,思い通りに動かないという問題が明らかになった.この操作性の悪さは被験者が持っている運動意図と,実際に表示される視覚フィードバックの結果が一致しないことによって生じていると考えられ,被験者の自己主体感を高めることでリハビリテーション効果を向上させるという当初の目的を達成できない恐れがある.そこで本研究では,制御工学的なアプローチによって被験者の運動能力に応じてシステムのダイナミクスを変化させることでこの問題を解決する.
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研究成果の概要 |
本研究では、高齢者の健康寿命の延伸に貢献する舌の運動リハビリテーションを対象とし、それを実現するための運動主体感の向上を実現するシステムを構築した。提案したシステムの核となるのは、運動意図に応じた感覚刺激を人工的に生じさせることにより中枢神経系を含めた神経回路網の強化を目指すというものである。まず、舌に対して一定の力を与え続ける舌圧子タイプの装置を製作し、舌の運動特性を実際に計測した。さらに、口腔内で計測した筋力からデータ駆動型の制御器調整法であるFRITによるアシストシステム設計を可能とする手法を提案し、シミュレーションと実験により実現可能性を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間の複雑な運動には、筋力だけでなく脳・脊髄と末梢神経の密な神経接続によって実現されている。高齢などによる舌の運動能力低下によるオーラルフレイルは、食べる喜びを奪われることにつながりかねない重大な問題であるが、実際の動きを自分で見て確かめることができないこともあり、早期発見・回復のプロセスを取りづらいという問題がある。本研究の成果は、舌の運動状態を定量的に評価することができる技術と、利用者の運動能力に応じて課題の難易度を調整することで運動へのモチベーション維持につながる技術に関して新たな手法の提案を行なったことである。今後、オーラルフレイル症状の早期発見・早期回復につながることを期待している。
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