研究課題/領域番号 |
20K20351
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補助金の研究課題番号 |
18H05333 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木村 克輝 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10292054)
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研究分担者 |
渡部 靖憲 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20292055)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2020年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 有機物回収 / 膜処理 / 下水 / 直接膜ろ過 / セラミック平膜 / 創エネルギー / 下水処理 / 膜ろ過 / 膜ファウリング / バイオガス / エネルギー回収 / 創エネ / 有機物濃縮 / 下水道 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、全電力使用量の数%が下水処理に注入されていると推計されている。現在主流となっている下水処理では、大量のエネルギーを注入して下水中の有機物を無機化している。嫌気性消化を用いれば下水中の有機物よりメタンを発生させ、エネルギーを回収することができる。しかし、嫌気性消化の直接適用をするには下水中有機物濃度が低すぎるため、下水中有機物からのエネルギー回収は進んでいない。本研究では下水中有機物の大半がコロイド寸法以上であることに着目し、下水を直接膜ろ過することにより下水中有機物の濃縮を行う。深刻な膜目詰まりを克服するために、従来の膜処理では考えられなかった高強度洗浄を適用する。
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研究成果の概要 |
都市下水を直接膜ろ過(DMF)することで、下水中の有機物を回収・濃縮してエネルギー回収を行うことができる。セラミック平膜は物理的・化学的に強固であり、有機膜では適用できない高強度の膜洗浄を適用できる。本研究では物理的な高強度洗浄(粒状担体の流動)と化学的な高強度洗浄(高濃度の薬液による高頻度逆洗)を併用してセラミック平膜による下水のDMFを行い、高フラックスでの長期連続運転を試みた。本研究で採用した高強度洗浄の有効性を確認するとともに、原水の初沈流入水から初沈流出水への変更、極短時間のばっ気導入、逆洗における酸と酸化剤の併用がファウリング発生抑制に効果的であることを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下水DMFを一定流量で長期間行うデータは現時点において関連研究例で希少であり、本技術の実用性を示すことができた。本研究では嫌気性消化に供されるスラリー体積を1/50-1/150にできることを実証したため加温が現実的になった。DMFでは嫌気性MBR等の競合技術と比較して回収エネルギーを大幅に増加させられることが示された。DMFで回収される有機物からのバイオガス発生ポテンシャルが高いことを実測により確認し、これをベースにDMFを基盤とする下水処理のエネルギー収支を推算した。DMFを用いた場合、現状で下水処理に用いられるエネルギーに相当するエネルギーを創出できる可能性が示された。
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