研究課題/領域番号 |
20K20378
|
補助金の研究課題番号 |
18H05369 (2018-2019)
|
研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
|
配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
千原 崇裕 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (00431891)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2018年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 嗅覚 / 神経 / ショウジョウバエ / 個性 / 遺伝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、嗅覚に関連する分子、ニューロン、神経回路、そして個体行動について解析することで、「鼻が利くとは?」 という疑問に対する実験的な回答の取得を目指す。ショウジョウバエを用いた一個体ごとの嗅覚行動パターン測定、行動結果に基づいた個体選別と系統化、そしてそれぞれの個体における遺伝子発現と嗅覚神経回路の詳細な解析を行う。これら実験で得られる結果の相関関係・因果関係を調べることで「同じ遺伝子型をもっていても、匂いに対する感受性が違うのは何故か」、そのメカニズムに迫る。
|
研究成果の概要 |
同じ動物種内であっても個体ごとに嗅覚の敏感さに違いがあることが知られている。本研究では、個体ごとの嗅覚感度を規定するメカニズムを明らかにすることを目指した。ショウジョウバエの行動実験・遺伝子発現解析を行った結果、飢餓レベルによって変動する「sNPFR(sNPF神経ペプチドの受容体)遺伝子」が個体ごとに変動し、嗅覚感度を調節していることを見出した。この事実は、同じ遺伝的背景を持っていても、個体ごとの僅かな飢餓レベル(いつ、どれくらいの量の食餌をとったか)によって、嗅覚感度が大きく変動することを示唆している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私達は味覚、嗅覚、満腹レベルがそれぞれ関連しあっていることを経験的に知っている。今回、本研究では、僅かな飢餓レベルによって嗅覚感度が変化することを明らかにした。これに関わる分子として、sNPFRという神経ペプチド受容体の関わりも見出している。今回のショウジョウバエにおける知見は、我々ヒトを含めた哺乳類でも同様の仕組みで「飢餓レベルと嗅覚感度」の間の調節が行われている可能性を示唆している。
|