研究課題/領域番号 |
20K20389
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補助金の研究課題番号 |
18H05383 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
七里 眞義 北里大学, 医学部, 教授 (10206097)
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研究分担者 |
小寺 義男 北里大学, 理学部, 教授 (60265733)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2019年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2018年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | ペプチド / 生理活性因子 / バイオマーカー / 質量分析 / NF-κB / 摂食抑制 / ペプチドミクス / 創薬シーズ / ネイティブペプチド / 血漿ペプチドーム / 高感度ペプチドミクス / ペプチドーム / 生理活性ペプチド / 自己抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト循環血中の低分子量ペプチドの構造決定は困難の極みである。我々は独自に開発した血中超微量ペプチド高効率抽出・精製法と超高感度・高精度質量分析を組み合わせた高感度ペプチドミクス技術を完成させ、ヒト血中ネイティブペプチドを構造決定する技術を開発した。これら網羅的に同定したペプチド配列から健常人および各種疾患との比較により、疾患診断や発症・進展予測、治療効果判定のための臨床バイオマーカーとして有用な配列を探索し、臨床的に有用な因子を選択して開発研究を行う。全ての翻訳後修飾情報やアミノ酸置換情報を含めた循環血中ネイティブペプチド同定情報を国際的データーベースとして構築しその始動に貢献する。
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研究成果の概要 |
高感度ペプチドミクス技術を用いて血漿ネイティブペプチドの網羅的同定技術を完成させ、数多くの配列情報を新たなデータベースとして登録し公開した。これらの配列情報を用いて、疾患バイオマーカー、および新規生理活性ペプチドホルモンの同定研究を行った。 前者としては鋭敏な酸化ストレスバイオマーカー、心疾患発症予測因子、および体液量変動マーカーとなりうる候補因子を同定した。 後者としては血管平滑筋細胞に対するNF-κB活性化因子と末梢性摂食抑制性ペプチドホルモンを同定した。以上より「ヒト血漿ペプチドーム」は未知の生理活性因子や臨床バイオマーカーを探索・同定する有用な研究手法であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、ヒト血中に存在する超微量ネイティブペプチドの配列を正確に決定することは不可能とされていたが、始めてその網羅的同定に成功し、新たなヒト血漿ネイティブペプチドデータベースを作成して公開した。同定したペプチドの中から3つの強力な生理活性を有する新規生理活性因子を明らかにし、これらが血中に確実に存在するペプチドホルモンであることを示した。さらに、研究の過程で疾患バイオマーカーとなりうる候補因子を3つ同定することができた。これまで新規生理活性因子やバイオマーカーの探索は困難をきわめていたが、「血漿ペプチドーム」はこうした創薬シーズ・マーカー探索研究を加速させる貢献が期待される。
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