研究課題/領域番号 |
20K20391
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補助金の研究課題番号 |
18H05385 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大段 秀樹 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (10363061)
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研究分担者 |
大平 真裕 広島大学, 病院(医), 助教 (30397947)
田原 裕之 広島大学, 病院(医), 助教 (30423354)
井手 健太郎 広島大学, 病院(医), 講師 (50511565)
田中 友加 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (90432666)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2019年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2018年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | iPS細胞 / 他家細胞移植 / HLA一致 / SIRPα / 拒絶反応 / 免疫制御 / 自然免疫 / 獲得免疫 / HLA適合移植 / 拒絶 / シグナル制御 / 免疫寛容 / ヒトiPS細胞 / アロ免疫機構 / 遺伝子多型 / 間接認識機構 / シグナル制御蛋 / 間接認識経路 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、特定の成熟期(stage 4)のNK細胞にTNF-related apoptosis inducing ligand (TRAIL)-death receptor (DR)系を介した強い抗腫瘍活性を誘導できることを見出した。最近、ヒトiPS細胞からstage 4 NK細胞 (iPS-NK細胞) を誘導することに成功し、様々な癌種に対する抗腫瘍効果をin vitroで確認した。今後、癌免疫療法の臨床応用に向けて、HLA3座一致の他家由来iPS-NK細胞がHLA非依存性に拒絶を被る機序を解明し、その克服法を開発する。
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研究成果の概要 |
Signal regulatory protein α (SIRPα)-CD47システムはマクロファージや樹状細胞の自己寛容機構として知られる。本研究ではSIRPα遺伝子多型がHLA非依存性のアロ認識機構として作動し、HLA3座一致iPS細胞由来の他家細胞が自然免疫応答の標的となることを解明した。 他家細胞移植後に作動するT細胞の活性化経路は、直接認識と間接認識経路に分類される。HLA適合他家移植で回避し得る拒絶反応は、直接認識経路を介したものに限られる。本研究では、間接認識経路によって免疫反応を惹起するマイナー組織適合抗原に対するT細胞応答を肝類洞内皮細胞が特異的に寛容化する機構を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HLA3座一致iPS細胞由来の他家細胞移植においても、SIRPα遺伝子多型によりHLA非依存性のアロ認識機構が作動して拒絶反応が惹起され、抗SIRPα抗体によりその応答が回避し得る可能性が示された。この成果は、新規拒絶機構の解明と克服法の開発に繋がる。マイナー組織適合抗原に対するT細胞応答による拒絶反応を、肝類洞内皮細胞への抗原パルスによって回避できれば、免疫抑制薬を使用することなく移植されえたHLA3座一致iPS細胞由来の他家細胞永久生着させることが期待できる。 以上の成果は、HLA一致iPS細胞由来の他家細胞移植における新たな免疫制御法として、再生医療への応用に期待できる。
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