研究課題/領域番号 |
20K20438
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補助金の研究課題番号 |
19H05514 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高木 成幸 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50409455)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
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キーワード | 錯体水素化物 / 擬回転 / 固体イオニクス / 水素錯イオン / イオン輸送 / 遷移金属錯体水素化物 / 副格子融解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまでイオン伝導体として全く認識されていなかった遷移金属錯体水素化物において、『水素錯イオンの擬回転』や『量子トンネル効果を伴う水素の集団運動』の関与など、従来の固体イオニクスにはない独自の概念に基づく新たな指導原理の獲得を目指し、既存の学術体系の枠組みの中では成し得なかった超機能材料の創製を狙うとともに、全固体二次電池開発に関わる広範な学問分野において新たな研究領域を切り拓く。
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研究成果の概要 |
特定の多原子イオンが示す再配向運動により、固体物質内の陽イオン輸送は著しく促進される。一方、再配向運動の活性化に高温が必要であること、すなわち低温領域において優れたイオン輸送特性が得られないことが欠点であった。本研究では、単一の遷移金属元素に多数の水素が配位した高水素配位錯イオンが示す「擬回転」と呼ばれる特異な分子運動に着目し、水素9配位の錯イオンを含む実在物質において、擬回転により促進される室温超リチウムイオン伝導の発現を理論的に見出すとともに、本物質を対象として平行して進めた中性子準弾性散乱実験において、理論計算を強く支持する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、イオン輸送現象における『水素錯イオンの擬回転』の関与など、従来の固体イオニクスにはない新たな指導原理の獲得につながる重要な知見を得た。本成果により、既存の学術体系の枠組みの中では成し得なかった超機能材料の創製が可能となり、水素化物関連分野の発展のみならず、全固体二次電池関連の広範な学問分野における新たな研究領域開拓に貢献できるものと期待する。
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