研究課題/領域番号 |
20K20440
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補助金の研究課題番号 |
19H05518 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 雅宏 九州大学, 工学研究院, 教授 (10211921)
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研究分担者 |
田原 義朗 同志社大学, 理工学部, 准教授 (30638383)
原田 耕志 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60253217)
若林 里衣 九州大学, 工学研究院, 助教 (60595148)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2019年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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キーワード | イオン液体 / DDS / 経皮吸収 / 薬物キャリア / 難溶解性薬物 / 経皮免疫 / 花粉症ワクチン / バイオ医薬品 / ワクチン / ペプチド / タンパク質製剤 / 核酸医薬 / 界面活性剤 / 経皮吸収製剤 / アビガン / イオン液体液晶 / 経皮ワクチン / バイオ医薬 / 経皮麻酔剤 / 創薬工学 / 麻酔薬 / 医工連携 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イオン液体を用いた創薬研究に“生体適合イオン液体の創生”というブレイクスルーを生み出し、イオン液体の世界に“薬物応用”という新しい研究領域を開拓することに挑戦する。イオン液体の創薬応用においては、臨床レベルでイオン液体が利用された例は少なく、研究領域として大きく発展するまでには至っていない。その最大のポイントは生体適合性のイオン液体創生にある。そこで本研究では、生体適合性のイオン液体開発を行い医工連携を通して、これまでの製剤技術の体系や方向性を大きく変革するようなイオン液体研究にチャレンジする。
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研究成果の概要 |
本研究では、実際の製剤応用を目的に、生体由来の分子からなる生体適合性の高いイオン液体を開発した。生体適合性のイオン液体として、素材にコリン、アミノ酸、脂肪酸及びリン脂質を用いて構成したイオン液体が有効であることを確認した。また、これら生体適合性イオン液体を用いることで、がん抗原ペプチドの経皮ワクチン製剤及びインスリンなどの経皮ペプチド製剤の構築が可能となった。また、開発したイオン液体は低毒性であり皮膚刺激性の低い製剤であることを明らかにした。脂質誘導型のイオン液体によって、がん抗原の皮膚深部への浸透が達成され、皮膚樹状細胞への効率的送達が可能になることで、高い抗腫瘍効果が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン液体の創薬応用が、最近注目されるようになったが、世界的にも臨床レベルでイオン液体が利用された例は少なく、創薬領域として大きく発展するまでには至っていないのが現状である。特に、イオン液体を用いた創薬研究においてポイントとなる、薬物利用が可能な安全性と安定性が確認されたイオン液体の開発が望まれていた。本研究で開発された脂質誘導型のイオン液体は、生体毒性が低く、実際の臨床研究にも対応できることが示された。特に、イオン液体の高い溶解性は、これまで製剤化が困難であった難溶解性薬物の利用に有効となる。創薬開発において、イオン液体の利用という新たな選択肢が提供できる。
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