研究課題/領域番号 |
20K20464
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補助金の研究課題番号 |
19H05554 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 洋人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (60446549)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2021年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 機能ゲノミクス・スクリーニング / 微生物ゲノム / がん治療 / 次世代シーケンス / 合成生物学 / シングルセル・シーケンス |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは進化の過程のなかでさまざまな代謝経路やシグナル経路を削ぎ落とし、あるいは洗練化することで、環境に適応して生きてきた。それと同時に、ヒトの癌細胞ではさまざまな代謝経路や代謝産物に異常が認められ、それが癌の悪性化に関与していることが明らかになっている。この研究では、太古の代謝システムを保持する微生物などの遺伝子資源を利用して、ヒトが進化の過程で無くした代謝経路や代謝産物をヒト細胞内で再び獲得させることで、ヒト癌細胞に細胞死をもたらすような新規癌治療標的の開発を試みる。まったく新しいスクリーニング法の開発を通して、癌研究だけでなく広く生命科学一般に貢献できるような学問分野の開拓を狙う。
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研究成果の概要 |
本研究では、微生物ゲノム資源をヒト細胞で発現可能なレンチウイルス・ライブラリとして組換え、それらをヒトがん細胞に一つひとつ導入して強制発現させる系を確立した。それらの細胞集団を用いたin vivo腫瘍について、がん細胞集団中の微生物遺伝子クローン組成を次世代シーケンスによってカウントし、ヒトがん細胞に細胞死・増殖抑制を誘導する微生物遺伝子を探索する系を樹立した。この新しいスクリーニング法によって、ヒトがん細胞に細胞死・増殖抑制を引き起こす微生物遺伝子を同定することができた。本研究によって、きわめて広範な探索空間を持ったオリジナリティの高い機能ゲノミクス・スクリーニング法を開発することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞はその生存・増殖のために特異的な遺伝子変異やシグナル異常に依存していることが多く、そのような特異的な変異遺伝子や異常シグナルの阻害を狙った分子標的治療の開発が活発に進められている。ところが、がん細胞にみられる遺伝子異常やシグナル伝達異常についての多くの知見が得られているにもかかわらず、有効な分子標的治療薬の開発は困難なままである。がんに対する有効な分子標的治療薬の開発は社会的に求められており、新しいタイプの分子標的候補の同定は重要な研究課題といえる。本研究は、新規がん治療標的候補の探索を目的として、新しいがん分子標的探索スクリーニング法の開発を計画したものである。
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