研究課題/領域番号 |
20K20484
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補助金の研究課題番号 |
19H05579 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野上 保之 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (60314655)
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研究分担者 |
日下 卓也 (甲本卓也) 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (00336918)
福島 行信 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (00432625)
横平 徳美 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (50220562)
山内 利宏 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (80359942)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | データベースセキュリティ / メールセキュリティ / ユーザ認証 / 暗号 / 秘密分散 / セキュアデータベース / ネットワークセキュリティ / オペレーションシステムセキュリティ / 認証 / 医療情報セキュリティ / 安全性評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、岡山大学で研究を進める次世代のがん治療法であるホウ素中性子捕捉療法の臨床データ群を主たるターゲットとして、技術・知財・臨床データを、ICT技術および暗号技術を高度に駆使して、利便性を損うことなく、かつ強固に守る高度な医療情報セキュリティ技術の確立を目指す。数学的に「同型」と呼ばれる構造を巧みに用いることで、無数の暗号計算の組み合わせと暗号データの表現方法により構成し、データがどのように暗号化されているか識別できないようにする「暗号拡散法」を開発する。新たな秘密分散法を組合せ、電子メール・リモート閲覧などの利便性を損なわない、セキュアな医療情報データベース構築法を開発する。
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研究実績の概要 |
昨年度までに拡散暗号方式を完成させており、これをメールデータの暗号化・ユーザ認証として実装するためにThunderbirdに対して独自実装している。暗号強度を自在に変えることができる乗算アルゴリズムをC言語およびJavaScriptとして実装したため、必ずしも大きな整数での実装が効率よく働かないため、その効率化を行った。具体的には、ベクトル乗算アルゴリズムのあるパラメータの大小に計算効率が大きくかかわるため、このままではその計算処理時間の大小によってパラメータの大小が解析される可能性がある。したがって、当初よりそのパラメータをセッションキーのように用いる通信(メール通信)を考えていたが、そこにサイドチャネル的な攻撃の可能性が残ることとなる。この問題を解消するために、そのパラメータを自在に選べることは確保しつつも、その大小に大きく依存しない計算アルゴリズムを開発し、平均的に効率よくベクトル乗算を行えるものを提案・実装している。これを具体的な医療データの暗号化の方にも実装する準備を進めており、楕円曲線暗号をベースとした公開鍵認証のみでなく、さらなる安全性拡張を実施することを考えている。これは、実際に医療データを考えたとき、例えばゲノム情報など気びな個人情報をより厳格に保護するためである。そのための改ざん耐性やエビデンスの確保のためにブロックチェーン技術との相性について検討を進めるよう展開していく予定である。一方で、そのデータ自身は暗号化して秘匿する必要があるため、準同型暗号などと組み合わせる必要もでてくると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定している研究テーマについてはおおよそ完了を見ている。その一方で、実際の医療情報をターゲットとしたとき、単にデータの秘匿化だけでなく、改ざん耐性・真正性なども保証できるべきという考えから、ブロックチェーン・準同型暗号の適用について研究を拡張して実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
実際の医療情報をターゲットとしたとき、単にデータの秘匿化だけでなく、改ざん耐性・真正性なども保証できるべきという考えから、ブロックチェーン・準同型暗号の適用について研究を拡張して実施する予定である。より具体的には、岡山大学としてバイオデータバンプとの連携を考えたとき、個々人のゲノムデータとその解析を扱うことが想定される。その際に、そのゲノムデータそのものや解析結果などを、準同型暗号を活用しつつ、一部のデータ処理についてはプロセスなども改ざんされずにログのようにエビデンスを残すことができたらと考え、ブロックチェーン技術との連携を発展的に考えたい。そのための研究開発を推進する予定である。
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