研究課題/領域番号 |
20K20594
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新藏 礼子 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (50362471)
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研究分担者 |
近藤 輝幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (20211914)
森田 直樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (80845107)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2020年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | アレルギー / IgA / クラススイッチ / 花粉症 / 粘膜免疫 / 抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、新規な作用機構を有するアレルギー根本治療薬の開発を目指すものである。単なる対症療法ではなく根治療法を目指す申請者独自の発想に基づく研究である。本研究が成功した暁には、アレルギーだけでなく他の免疫のアンバランスが惹起する疾患においても新たな概念による治療法を生み出す契機になると考える。本研究で発がん性のないPKC活性化剤Bryostatin1によるアレルギー抑制の機序を明らかにしたのち、鼻にスプレーするだけの粘膜防御強化によるアレルギー根本治療薬を実現したいと考える。
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研究成果の概要 |
マウスにスギ花粉を用いて花粉アレルギー反応を誘導した。1)肺胞洗浄液中のIgE抗体価の減少、好酸球・リンパ球の減少2)血清IgE抗体価の減少3)鼻掻き様行動回数、くしゃみ回数の減少4)縦隔リンパ節の細胞によるTh2サイトカインの産生減少などの効果を検証した結果、Bryostatin 1は鼻腔投与で投与量(20 ng)で各症状の改善効果が一番大きいことがわかった。また、Bryostatin 1がB細胞の抗体遺伝子転写制御(Bryostatin 1がIgA抗体遺伝子転写を増加させ、IgE抗体遺伝子の転写を減少させる)により、IgA抗体産生を維持しながらIgE抗体産生を抑制することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アレルギー疾患について、WHO は21世紀に人類が克服すべき疾患の一つに掲げている。例えば、花粉症は、日本人にとって国民病と言える深刻な疾患であり、アレルギー鼻炎の患者数は2015年で5,580万人、治療患者数は1,670万人と推計されている。将来的には、2024年に5,670万人、治療患者数は1,980万人と予測されており、増加は続くとみられている。現在抗ヒスタミン剤とステロイド以外に有効な治療薬がない花粉症などのIgEが関与するアレルギー疾患に対して、私たちは新規のメカニズムによる、単なる対症療法ではないアレルギー治療薬の可能性を示せた。
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