研究課題
挑戦的研究(開拓)
新たに開発したサイクロン装置を用い、公共的屋内空間と屋外(一般大気中)でPM2.5を採取し、成分を分析する。また、粒子そのものを細胞等に曝露し、生体影響を評価し、ハザードを同定する。特に、屋内と屋外のPM2.5の成分と影響の異同を比較・検討する。また、両粒子について、生体影響と成分の相関解析を行い、生体影響を決定する要因や成分を同定するとともに、両粒子間の異同を明らかにする。
地下鉄粒子は、屋外粒子と比較して、鉄や銅成分を豊富に含むことを示し、化学形態や組成も明らかにした。これらの成分は、呼吸器系、アレルギー・免疫系、循環器系に影響を及ぼしうること、また、喘息病態や感染病態を悪化させる可能性が示唆され、そのメカニズムとして、気道上皮細胞、抗原提示細胞、血管内皮細胞に対する、催炎症、抗原提示能の増加、細胞死、DNA損傷等が関与している可能性が考えられた。
日常生活において我々が屋外より多くの時間を過ごす屋内については、PM2.5の濃度、発生源、成分、その健康影響に関する知見は乏しかった。本件研究成果により、屋内の粒子の成分特性、影響特性を明らかにした。呼吸器系、アレルギー・免疫系、循環器系への健康影響が無視できず、成分によっては、屋外より強い可能性もあることを指摘した点が、学術的にも社会的にも意義深い。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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